2023年2月24

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

3年ぶりの米国出張で感じたこと 社長は自分の目で見ることも仕事の1つ


2023年1月初旬に米国のラスベガスに3年ぶりに行ってきました。目的は世界最大のIT関連のコンベンション「CES(シーイーエス)」の視察です。コロナ禍の影響で2021年は完全オンライン形式、2022年はオンラインと小規模な会場のハイブリッド開催でしたので、CES自体も3年ぶりの本格開催でした。2020年と比べると7割くらいの出展と参加者という感じでしたが、それでも展示会場は華やかで熱気がありました。

日本のITの展示会よりも、エンターテインメント性が高く見ていて面白いのです。参加企業の中でも資本力のある企業は、重要なメッセージ発信はカンファレンスで、商談は会場やホテルの別室で、そして製品と会社のPRは展示会場で、と役割分担しているようです。会場がとにかく広くて、さらに複数のホールやホテル、屋外の特設テントなどに分散しているので、駆け足で見るだけでも大変です。ざっと見て回っても1日20キロ、2日だと合計で30~40キロくらい歩くことになります。なので、日ごろから健康管理も兼ねてウォーキングをして歩き慣れていることがCES視察の必要条件になります。

面白いもので駆け足で回っていても、勢いのある企業や革新性の高い出品はすぐにわかります。ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の有名なセリフ「Don’t think.Feel!(考えるな。感じろ!)」を思い起こします。個別の製品の情報はインターネットで調べることができます。特にCESに出展している企業やその製品は検索エンジンに企業名(製品名)とCESの2つを入れてクリックすれば、ほぼ100%検索に引っかかります。ですので、筆者は特定のブースで説明員をつかまえて根掘り葉掘り質問して時間を使うより、会場全体の状況や各ブースから感じる雰囲気を重視しています。写真を撮り、気になった企業や製品をホテルや日本に戻ったのちに検索して詳細を確かめるのです。

 

実は今回CESに参加するかどうか、かなり迷いました。表向きはコロナ禍がまだ続いているから、あるいは円安で出張コストが高いから、と言っていました。しかし、迷っていた本当の理由は「行くのが億劫だな」という感情でした。コロナ前に毎年行っている時は年に1度の習慣になっていたので億劫だなという気持ちはまったくなかったのですが、3年のブランクで行くのが面倒だな、という気持ちが湧いたのです。それでも視察することに決めたのは「今回行かなければ、2度と行かないだろう」と感じたからです。3年のブランクで迷ったならば4年、5年空いたら絶対に行かないだろうな、と思いました。結果として渡米して正解でした。やはり自分の足で歩いて、自分の目で見て感じたことや得た情報は貴重です。

 

私も社長の端くれです。社長が新たな情報を得るために歩くことが億劫がっていたら、会社の将来はありません。コロナ禍で出不精になってしまった社長もいらっしゃると思います。コロナ禍もかなり鎮静化してきました。そろそろ外に出て、ご自分の足と目と耳で色々感じてみてはいかがでしょうか。

 

2023年2月