2020年3月31日

【RPAコンサルタントの日常】

Microsoft Teamsの運用の肝について~


昨今の新型コロナウィルスの影響もあり、コミュニケーションツールの需要が高まっている。そんな中、脚光を浴びているのが、MicrosoftのTeamsである。Office365ライセンスを持っていれば使えるので、多数の企業は追加のコストなく使うことができる。(つまり稟議がいらない)新型コロナウィルスでテレワークの必要性が急遽生じたといった場合、すぐに使うことができるのが強みである。しかし、運用のルールを決めるのが難しく、二の足を踏んでしまう情報システム部も多い。今回は情報システム部がTeams導入を推進しやすくするよう、肝をいくつかお知らせする。

導入の負荷をどうするか

すぐに使えると言ったが、初期導入の場合、クライアントアプリをPCにインストールする必要がある(WEB画面で使っても良いが、アプリがあればデスクトップ通知が来るので便利である)。この場合は、グループポリシーのログオンスクリプトにインストールコマンドを仕込んでおけば良い。Teamsアプリインストールに管理者権限は不要である。よって管理者権限のあるユーザーで実行する必要はない。ログオンスクリプトによって、対象のユーザーは自動的にTeamsアプリがインストールされる。

また、Office365のライセンスはあるが、Teamsのライセンスを有効にしていないというケースもあるだろう。これはPowerShellのコマンドによって一括変更可能である。下のURLを参考にして欲しい。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/archive/blogs/exchangeteamjp/office365-license-management

どんなチームの構成にするか

情報システム部にとってどんなチーム構成にするのかは、大きな悩みである。結論から言えば、部署ごとと、プロジェクトごとのチームが好ましい。部署チームはSNSのような情報発信が主になるので、あまり少人数のチームにしなくてよい。部と課で分かれているのであれば、部でチームを作成すればよい。また部と課の双方でチームを作成しなくてもよい。※なお、MicrosoftのYammer(社内向けSNSのようなツール)を導入しているのであれば、部署チームは不要かもしれない。

部を跨いでいるプロジェクトチームは情報共有が主なので、かく設定すべきである。つまりはそのプロジェクトにかかわる人のみにチームに加入させる。人によってはたくさんのプロジェクトチームに加入することになるだろう。管理上、プロジェクト管理者を定め、いつプロジェクトが終わるのか、知らせてもらうようにしたほうが良い。

チーム作成をユーザーに許可するか

チーム作成はユーザーに許可しないほうが良い。野放図にチームが増えるのを防ぐためである。チームが必要な場合は申請してもらってから作成するようにする。人によっては利便性が損なわれるといった意見もあるだろうが、プロジェクトでチームを作成している場合、あっという間に、たくさんのチームができることになる。そして、そのプロジェクトがいつ終わるのかユーザーしか知らない。終わったプロジェクトが多数残ってしまうのは管理上好ましくないし、ユーザーにとっても煩雑になる。よってチーム作成はユーザーに許可しないことにしたほうが良い。

ユーザーをチーム所有者にするか

ユーザーをチーム所有者にするかどうかは、外部ユーザーのチーム加入(ゲストアクセス)を認めるか、認めないかによる。外部ユーザーのチーム加入を認めないのであれば、チーム所有者にしてもよいと考える。会社のユーザーしかメンバー追加できないからだ。逆に認める場合だが、所有者はだれでも外部ユーザーをメンバー加入できてしまうので、所有者にすべきではない。しかし、そうなると誰かが所有者にならなければならない。情報システム部の誰かが所有者になるか、ダミーの所有者アカウントが必要になるので、注意が必要である。

このように、Teamsは多数の企業にとっては追加コストなし使えるが、導入に若干の準備が必要であり、ルール決めしないといけないことがある。でないと、野放図にチームが増えてしまい、管理が難しくなったり、チームに意図しないメンバーが登録され、セキュリティ上の問題が生じる可能性がある。後々のことも考え、準備やルールを決めていきたい。

2020年3月