2020年8月17日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長は先を読んで、社員より一歩早く進むべし~


コロナ禍がなかなか収まりません。コロナウィルスそのものというより、マスコミの視聴率重視のセンセーショナルな報道と政府のリーダーシップの欠如による「人災」の色合いが濃くなっているように思います。1日の感染者数の増減と累積感染者数ばかり取り上げ、その他の重要な情報(死者数や治癒者数など)はほとんど報道されません。自分でインターネットで調べればよい、と言われたらそれまでですが、やはりいかがなものかと思います。

そんな世相もあって、春頃よりもテレワークの普及が進みつつありますが、一方でテレワークに否定的な意見も増えてきました。特に中高年のサラリーマンに否定的な声が多いと聞きます。テレワークで簡単に済ませられる仕事でも自分が出社するだけでなく、部下にも出社を強要する管理職が少なくないそうです。また、「自分の仕事はテレワークに向かない」と勝手に宣言して、試みようとしない人もいるようです。

たしかに、テレワークは万能ではありません。テレワークではできない仕事はたくさんあります。しかし、一見テレワークに向かなそうな仕事がちょっとした工夫や視点の転換をすることで、テレワークに適合することもわかってきました。

中高年の管理職は自分の既得権を守るためにテレワークに抵抗することは、ある意味人間の生存本能の現れなので仕方ない面もあるでしょう。しかし、社長はそれではだめです。

社長は自分の仕事だけでなく、会社全体を見る必要があるからです。会社全体という会社内部だけでなく、取引先や市場など外部環境も含めて全体です。特にテレワークを推進するか否かを判断する場合に外部環境の先を読むことが大事です。

富士通や日立などの大手企業が在宅勤務率50%以上の目標を掲げました。他の大企業でも説教的なテレワーク推進を行う会社が増えています。中小企業では大企業のようにはできない、と言われます。でも、もし取引先の大企業が「これからはこの仕事はテレワークでやってくれ」と言ってきたら、なんとしても対応するはずです。「ウチは中小なので、できません」と取引を断る社長はいないでしょう。

大企業は短期的にはコロナ対応で社員の感染リスクを減少させるためにテレワークを推進していますが、中長期的な理由の方がむしろ重要であり、たとえ来年コロナが終息したとしても、テレワーク推進は継続されます。それは事業所家賃や社員の通勤費、出張費などのコストを大幅に削減できるからです。また東京一極集中のリスク(首都直下地震やテロ)対策、あるいは地方在住の優秀な人材の採用などテレワークのメリットに気が付いてしまったからです。社長はそんな大企業の思惑を先読みして、早目に対応することが肝要です。

もし、皆さんが就活生だとしたら、コロナ禍の状況で「ウチの会社は出社が原則」という会社と「状況に応じて出社とテレワークを柔軟に組み合わせる」という会社があった場合、どちらを選びますか?

2020年8月