2021年6月7日

【失敗しないシステム導入】

~選定基準の重要性とは?~


個人的な話になりますが、私が応援しているサッカークラブの成績が不振で、監督が解任されました。現在、暫定監督が指揮をとっていますが、後任の監督選びは難航しているようでまだ発表されていません。この報道を聞いて、監督選定時に明確な選定基準があったのか気になりました。明確な選定基準がなかったのであれば、後任選びは難しくなります。これはシステム開発プロジェクトのプロジェクトマネージャ選定にも同じことが言えます。

プロジェクトマネージャを選定する時には選定基準を作成します。どの視点で評価するのかの「選定項目」と、どの選定項目を重視するのかの「重要度」を決定します。選定基準はプロジェクトの特性によって変わります。実績を重視するのか、技術力を重視するのか、コミュニケーション能力を重視するのか。選定基準は事前にレビュし、合意します。そして、選定基準の「選定項目」それぞれについてプロジェクトマネージャ候補を評価します。そのうえで選定基準に従ってプロジェクトマネージャを選定します。

プロジェクトが計画通りに進まない時にプロジェクトマネージャの交代を検討することがあります。この時に明確な選定基準があれば、選定基準は正しかったが評価が間違っていたのか(例:コミュニケーション能力が高いと思ったが低かった)、選定基準自体が間違っていたのか(例:同種案件の実績を重視すべきであった)を振り返り、分析することができます。そのうえで必要に応じて選定基準を見直します。

後任のプロジェクトマネージャを選定する際には、新たな選定基準に従って候補者から選定します。前述の振り返りができているので、選定基準に立ち戻って、より適任な後任者を選定できます。仮に選定基準がなく、プロジェクトマネージャを選定していた場合には、振り返りの分析ができず、立ち戻る基準もないので雰囲気で後任者を選定せざるを得ません。適任な後任者を選定できる可能性は低くなります。

明確な選定基準を作成し合意しておくことは、適切なプロジェクトマネージャを選定し、プロジェクトを成功に導くために必要であることはこれまでもお伝えしてきましたが、プロジェクトが上手くいっていない時に、適切な後任者を選定しプロジェクトをリカバリするためにも重要なことです。

2021年6月