2015年8月24日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長はおわかりですか?IT調達コストの重みと失敗時の怖さを~

当コラム全体の大きなテーマはタイトルの通り、「中小企業のIT投資は社長が仕切るべきである」ということです。当たり前の事ですが、中小企業は売り上げや利益、社員数などの規模が大きくない、だからこそIT投資の成否が経営に大きな影響を及ぼすのです。

たとえば、売上高100億円の会社があったとします。営業利益率を5%としましょう。1億円の利益を出すには20億円の売り上げが必要になります。一方で、売上高100億円規模の会社の基幹系システムを導入または再構築しようとすると、1億円程度必要なことは珍しいことではありません。20億円を売り上げるのにどれだけの社員の労力と時間、販促費用等がかかるか、それを考えると1億円がいかに投資として貴重か、社長ならわかるはずです。

しかし、現実のIT調達の世界ではRFPを書かなかったり、厳密なベンダーのコンペをやることなく、「見積もりが一番安かった」、「知人からの口利きがあったから選んだ」、「営業マンが気に入った」といった理由で安易にベンダーやソリューションを選定してしまうケースが散見します。その結果、予算が2倍になった、納期が半年遅れた、などのプロジェクトの失敗が生じます。予算が2倍、仮に当初予算が1億円だと2億円、2億円の利益だすためには40億円売り上げなければならない・・・大変な数字ですね。でも、失敗する事例のほとんどはIT調達時に失敗したらどうなるのか、考えないのです。失敗してから慌てふためく。でもその時はもう手遅れなのです。

社長は投資額をその絶対値としての金額と同時に、それをねん出するために必要な売上高や労働リソースも計算してください。そうすれば、なぜ調達時にRFPを書く必要があるのか、コンペを客観的に行う必要がるのか、そして最終決定すべきは自分自身であることが自覚できるはずです。

もう一度言います、「中小企業のIT投資は社長が仕切るべきである」。

2015年8月