2024617

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

~生体認証についての追記

前回(2024/4/8)は指紋認証と顔認識に関して優劣は別にして自身にとっては指紋認証の方がしっくりするといったことを書きました。そんなことを書いた矢先、職場で支給されているiPhone SE3のホームボタンの故障でセンサーが動作しなくなってしまいました。ホームボタンを押しても反応しないし指紋も認識しない状態なので、電源ボタンで画面を表示させることはできても、そこからTouch IDでホーム画面に遷移できないため、画面を下にスワイプしてアプリの候補を表示させたり検索ができることを思い出すまでは電話やメッセージの着信・Authenticatorの応答要求がロック画面に表示されたらタップで必要な操作を行う程度しか使用できなくなってしまいました。 

基本的にこのiPhoneでは電話やチャットの応答とAuthenticatorを使った多要素認証が主な用途だったので業務上で大きな不都合はありませんでしたが、ちょっとした操作を行うたびにロック解除のためにTouch ID無効のメッセージが表示されてからパスコード入力と本来は不要な操作のステップが挟まってしまい、大きな手間ではないものの使いにくい状態でした。

 

よく考えれば登録してあるTouch ID自体を設定で無効にしてしまえば、ロック解除が必要な際にはパスコード入力に切り替わるのですが、使い始めの最初のセットアップでTouch IDを登録してからは日常の操作になっていたため、この機能を無効にできることを思い出したのは、代わりの端末が手元に届いてセットアップしながら指紋を登録している時でした。普段当たり前に使っていて追加機能だと忘れさせるほどに利用者に馴染んでしまうのは、ユーザーインターフェースの設計としてよくできたものだと感心しました。

 

とはいえ、生体認証を利用する場合には、仮にその生体情報を取得する機能が正常に動作しなくなった場合に、別の方法(今回はパスコード)で同等の結果が得られる手段を用意しておいた方がよいでしょう。その認証方式がいくら優れたものであってもまったく利用不能となってしまうので、同等の結果が得られる別の手順を残しておくことが必須であることを忘れてはいけないと改めて考えさせられました。

 

2024年6月