2017年10月23日

【失敗しないシステム導入】

~RPAとBPOの関係とは?~

前回(2017/9/5)に引き続きRPAがテーマです。

RPAを導入する際に検討しなくてはならないのが、どの業務にRPAを導入するかということです。定型化でき、繰り返し行われる業務が対象となります。定型化できなければロボット化できませんし、繰り返し行われない業務だと効果が少ないので、ロボット作成のコストと効果が見合わなくなってしまいます。

POC(Proof Of Concept:概念検証)フェーズであれば、費用対効果を気にせずに、とりあえずロボット化できそうな業務を選ぶということも考えられますが、本番導入フェーズでは費用対効果を考えて業務を選ばなければなりません。しかし、定型化できるが繰り返し行われない、繰り返し行われるが定型化できないなど、なかなか適当な業務が見つからないといことも多いでしょう。

そこで対象となるのがBPO(Business Process Outsourcing:業務外部委託)の対象となっている業務です。例えば、給与計算、経理処理などになります。これらの業務は、既に外部委託できていることもあり、定型化でき、繰り返し行われる業務がほとんどです。これらの業務をロボット化するコストが外部委託費用を下回るようであれば、BPOをやめて自社でロボットにやらせることが合理的な選択になります。

BPOは毎月、外部委託費用が発生しますが、ロボットは一旦作成してしまえば、毎月のロボットライセンス費用だけで済むようになります。このようにBPOしていた業務をロボット化して、自社に戻すという動きがみられるようになってきています。

一方、BPOサービスを提供する会社側でもRPAの導入が進んでいます。RPAを導入することでコストを削減し、価格を下げることで、同業他社に対して優位に立つことができます。逆にRPAを導入しないと価格を下げることができず、他社に顧客を取られたり、先に述べたように顧客が自分自身でロボット化することで契約を打ち切られたりするリスクがあるので、今後ますますBPOサービス提供会社におけるRPA導入の流れは加速していくものと考えられます。

企業側としては、BPOするという選択肢の他に、自社でロボット化するという選択肢が増えたことになります。BPOしている業務をロボット化した時にコストを算出して、BPOの費用と比較し、ロボット化するかBPOするかを選択することになります。このようにRPAがきっかけとなり、BPOの対象となっていた給与計算、経理処理などのコスト削減がさらに進むという流れが起きています。

2017年10月