2015年12月7日

【失敗しないシステム導入】

~その落選理由、ベンダは納得していますか?~

ベンダの選定にあたっては、RFPをベンダに発行し、ベンダから提案を受けます。その後、提案内容を評価し、発注するベンダを選定します。発注先に選定されなかったベンダには落選したことと合わせて、落選理由を伝えます。

この時、ベンダが納得できる落選理由を伝えられているでしょうか?ベンダが落選理由に納得しているのであれば、良い選定ができていると言えます。逆にベンダが落選理由に納得していないのであれば、良い選定ができていない可能性があります。

落選理由があいまい

ベンダが納得できない落選理由のひとつとして、「落選理由があいまい」ということがあります。落選理由があいまいになる原因としては、明確な評価基準を作成せずに、感覚で選定していることが考えられます。また、評価基準を作成し、それに沿って評価したにも関わらず、いざ、最終選定段階でこれまでの評価を無視して、声の大きい人の鶴の一声で決めている場合もあります。

このような選定では、良いベンダを選定できるはずがありません。評価基準を作成し、評価基準をもとに評価し、意思決定プロセスを透明化し、ベンダを選定することにより、最適なベンダを選定できます。結果として、ベンダに納得してもらえる明確な落選理由を伝えられるようになります。

何故、いまさらそれを言うのか?

ベンダが納得できないもうひとつの落選理由に、「何故、いまさらそれを言うのか?」というのがあります。例えば、海外製のパッケージだったから、売上高が当社基準に満たなかったから、本社のある大阪に拠点がなかったから、などがあります。このような落選理由を伝えられたベンダは、「何故、いまさらそれを言うのか?もっと早く言ってくれれば、提案に無駄が工数を使わずに済んだのに」と思うでしょう。このようなことが起こる原因としては、RFP発行先を決める際の絞り込みが不十分であることが考えられます。

このような選定をしていると、ベンダからの信頼を失ってしまいます。仮に次に機会があったとしても、そのベンダには提案してもらえないでしょう。RFPを発行する前に、RFI(Request For Information:情報提供依頼書)を発行し、情報収集するとともに、RFP発行先の選定基準を明確にして、RFP発行先を決める必要があります。こうすることで、条件の合わないベンダにRFPを発行することを避けられます。ベンダ側の提案工数、選定側の評価工数が無駄にならずに済みます。

RFP発行先が十分に検討され、評価基準に基づいてRFPが評価され、選定が行われていえば、良いベンダを選定でき、落選としたベンダには明確な落選理由を伝えられるはずです。

2015年12月