2023年1月16

【飛び込んでみよう!】

ドローンの歴史と定義


そもそも「ドローン」とは何なのか?

世界で最初のドローンは1944年、第二次世界大戦中のアメリカ軍が「B-17」爆撃機を無人航空機に改造した「BQ-7」だと言われていて、以来軍事目的で製造、使用されました。その後1995年、アメリカ軍はユーゴスラビア紛争において長距離飛行が可能な大型の無人航空機「プレデター」を実践配備、ドローンは近代戦争の特徴的な兵器となります。

翻って民間産業における「ドローン」は1987年、ヤマハ発動機が世界初となる産業用無人ヘリコプターを開発しました。これは現在も農薬散布用として2,000機以上が活躍しています。2010年、フランスのParrot社から「AR Drone」が発売され、現在私たちが目にする民間用ドローンは普及期に突入します。2012年には中国のDJI社が「Phantom」を発売、一気に販売台数を伸ばしていきます。

ドローン(別名:無人航空機)の定義は国土交通省「飛行ルールの対象となる機体」によるとこうなっています。

“飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、構造上、人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの(100g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターが該当します。”

※重量100g未満のものは、無人航空機ではなく「模型航空機」に分類されます。

私たちがイメージするドローン、いわゆるマルチコプタータイプにはローター(翼)の数が4発、6発、8発、4発×2重などの種類があります。ローターの数が増えると機体は大きくなり、より重いものを載せたり運んだりできるようになります(「ペイロードが増す」と言います)が、その分機体重量も増えるので飛行時間も短くなりがちです。現在の主流は4発の中型機をメインに飛行時間を伸ばす工夫をする方向で、一般的な民間用ドローンで1バッテリーあたり20~30分ほど飛行していられるようになりました。

操縦については、ピッチ(昇降舵)、ロール(補助翼)、ヨー(方向舵)の3軸のほか、自動車やバイクには無い「スロットル」という高度を操る必要がある点が大きく異なります。私はドローン操縦士になるまでラジコン等の経験がありませんでしたが、テレビゲームで遊んだことで3次元的な操縦を違和感なく受け入れることができました。ドローン講習会に参加してくれた子どもの親御さんにこの話をすると嫌そうな顔をされますが、詰まることろ「どんな経験も何かで活かされることがあるかもしれないですよ」と話をまとめています。

2023年1月

【鶴田光樹のコラム】

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