2022年1月11

【コンサルタント散歩】

ローコード開発ツールのシステム開発が合わないユーザとは


昨今のシステム開発では、ローコード開発ツールを選択する企業が増えていると思います。その理由として、「システム開発の期間を短縮できる」、「システム開発に掛かる人件費を削減できる」、「プログラミングコードの記載ミスを減らすことができる」等が挙げられます。

ローコード開発ツールはユーザにとって、システムの導入までの期間が短く、開発に掛かる人件費も低いと良い点が目立ちますが、ローコード開発ツールを用いてシステム開発をする場合に、あくまで筆者の所感ですが、合うユーザと合わないユーザがいます。

大前提として、ローコード開発ツールにはそれぞれの製品に実装機能の制限があることです。これは、ユーザ側がRFP(提案依頼書)の作成を行い、しっかりとユーザに合うローコード開発ツールを選ぶことで、ある程度の要件を満たすことができると思いますが、要件に100%マッチするローコード開発ツールはなかなかなく、良くて80%程度ではないでしょうか。この残りの20%をどうするかが、ローコード開発ツールのシステム開発が合うか合わないかの分かれ目になります。

この要件を満たさない20%について、ユーザ側の業務を改善し、ローコード開発ツールで実現できる業務に変更するのか、どこまでカスタマイズし業務を改善するのかの決断ができるかどうかが重要になります。決断が早期にできるユーザには、ローコード開発ツールのシステム開発が合うでしょう。

しかし、この決断が遅れるほど。ローコード開発ツールの良い点で挙げている「システム開発の時期が短縮できる」、「システム開発に掛かる人件費を削減できる」という点が失われるので、早期に決断ができないユーザはローコード開発ツールを用いたシステム開発には合いません。

とはいえ、ローコード開発ツールを用いたシステム開発は、スクラッチ開発よりシステムの導入期間の短縮や開発に掛かる人件費は抑えられると思いますので、決断をなるべく早期に行い、ローコード開発ツールの良い点を最大限に活用してください。

2022年1月