【当たり前を考える】
~初心者だから気づくこと~
「新しく入った人材はまだ仕事に染まっていないので、新鮮な目線で業務を見ることができる」
このようなことはよく言われることだろうし、馴染みがあると思います。新しい会社に入ったり、すでにあるプロジェクトにアサインされたりすると、今までの環境にはない良いところ...だけではなく気になるところも出てきます。しかし、最初から提案するのはなかなか難しい、ということもあるのではないでしょうか。そこで、疑問に思ったことや違和感を持ったことは、私は「成り立ちを聞いてみる」のがちょうどよいやり方なのではないかと考えています。
例えば、「どんな経緯でのこのような仕事の形式・仕組みになったのですか?」という類の質問です。「慣例だから」という返答が返ってきたら、改善の余地があるかもしれないと頭の片隅に置いておき、今後の改善のネタにできるかもしれません。「それはね・・・」と回答が返ってきたら、自分の知識にプラスになります(勿論それでも納得できないこともあり得ますが)。「そもそもどうだったかな、何でなんだろう」と考えてもらったらある意味成功です。プロジェクトに関わる一部の人にでもそのような疑念や考えを「織り込ませる」ことが大事です。
プロジェクトの規模が大きくなったり、人員の入れ替わりが発生した場合、すでに考慮されていた事項や考えるうえで重要な視点が抜け落ちてしまう。その結果、不要な機能や仕組みの実装に着手することになったとしても、それに手をこまねき対応が後手後手になることもあり得ます。考慮すべきすべてを包含して仕事に取り組むことは難しいかもしれませんが、それでも理想としては最大限考慮すべきです。
すでにアサインされているメンバーは真剣に未来のための仕組み・システムを考えていたりしますが、改めてその必要性の可否について伺ってみると、別システムで代用ができたり、実際は不要だったりすることが往々にしてあります。疑問に思ったことを質問することで、全体の作業負荷軽減にも繋がるのではないでしょうか。このように相手に気づきを与え、再考を促すことも立派な役割だと思います。
2024年7月
【藤波健人のコラム】