2022年10月31

飛び込んでみよう!

空撮ドローンの基礎技術


私はドローン操縦士としてこれまで空撮の依頼を請け負ってきました。マシンのタイプや機能はメーカーや金額に応じて様々ですが、アマチュアからプロまでが撮影で使う基本テクニックが主に7つあります。

1.前進・後進

「言われるまでもない」と思うかもしれない動きですが、テレビ番組やCMなどで使われている「よく見るドローン映像」の多くは前進での撮影です。ドローン映像の特徴である「高さ」の軸が加わると、同じ景色を前進・後進するだけでも異なる印象を持たせることができます。

2.横移動

バイクや車、動物の走る姿などを追従しながら横から撮影することで、疾走感のある映画のワンシーンのような映像を撮ることができます。

3.斜め移動

前進・後進と横移動を組み合わせた操作です。機体を旋回させながら移動することで印象が変化します。

4.俯瞰

カメラを真下に向けて移動させることで、ドローンの特徴的な映像が撮影できます。

前進・後進、高さ、回転を組み合わせることで迫力が増します。

5.チルトアップ・チルトダウン

これはドローンのカメラを上下に動かすことです。

ドローン空撮の特徴は「高さ」軸だと先述しましたが、空撮ドローンは基本的に機体を水平に保つ機能を有しています。そのため高度が変化すると目線の高さも変化するため、カメラの上下の向きを変えながら移動することで、より生き物(鳥など)の視点で空撮が可能になります。

6.ノーズインサークル

ノーズインサークルとは、ドローンの顔を被写体に向けたまま、被写体の周りを円形に移動して撮影する技術です。映画のワンシーンやアーティストのMVなどにもしばしば用いられる撮影方法で、被写体が自分でもカッコよく見える映像になります。

綺麗な円を描くというのは想像以上に難しく、ドローン操縦士の訓練ではこのノーズインサークルや八の字の撮影の練習を基礎技術として延々と繰り返しました。

7.パン

ドローンを高く上昇させ、360度回転するという方法です。

もともとカメラの撮影技法の一つで、カメラを固定したまま水平方向に移動させる技術をパンと呼びます。

ドローン空撮では高度を活用するので、周りをいろいろな種類のものに囲まれた場所で使うと面白い映像を撮ることができます。私の地元の山梨は四方八方に山々に囲まれていたため、(特殊な条件の案件以外では)あまり向いていないともいえました。

2022年10月

鶴田光樹のコラム】

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