2019年9月30日
【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】
~社長、ブロックチェーンってわかりますか?その1~
「AIやIoTはなんとなくわかるのだが、ブロックチェーンはよくわからない」という声をよく聞きます。経営者の方々も同じ感想をお持ちの方が多いのではないかと思います。AIは小説や映画、アニメーションなどで数十年も前から題材として使われてきていますし、将棋や囲碁のトップ棋士がAIに負けるといったセンセーショナルな出来事もあったので、人それぞれでしょうがイメージできるでしょう。また、IoTも様々なモノにセンサーやカメラ等のデータ収集機器やICチップが取り付けられ、それらによって正確なデータが収集され、そのデータが様々な用途に利用される、というイメージは比較的持ちやすいのではないかと思います。
それではブロックチェーンはどうでしょう?ブロックチェーンというとまず思い浮かぶのはビットコインに代表される仮想通貨(今では暗号資産と呼ばれることが多いですが、ここでは仮想通貨を用います)でしょう。仮想通貨は投機目的で運用されることが多いため、「怪しい、あぶない、いかがわしい」というイメージがつきまといます。その仮想通貨のイメージそのままにブロックチェーンもAIやIoTに比べると「よくわからない怪しい技術」といった先入観を持つ方が多いようです。またハッシュ関数やマイニング、ステーキングなどのように専門的で意味がよくわからない用語が用いられていることが多いため、「ITの専門家にしかわからない」と敬遠されがちです。
一方で金融機関やIT企業、そして一部の海外の国家はブロックチェーンを使うことに非常に積極的です。彼らの思惑を端的に言うと「ビットコインなどこれまでの仮想通貨は投機対象となり危険である。しかしブロックチェーン技術は非常に有用である」ということです。仮想通貨はブロックチェーンを利用したソリューションの1つでしかないのです。様々な用途に使える技術であること、そしてソリューションの利用が安価にできる可能性が高いので、金融機関や国家などが表では「仮想通貨は危ない」と言っている裏で、激しい開発競争をしているのです。
「当社は金融機関でもIT企業でもない、製造業だからブロックチェーンは関係ないだろう」と考えている経営者がもしいたならば、それは安易な考えです。製造業だろうと流通業だろうと、業種を問わず、ブロックチェーンは数年以内に一気に普及してくる可能性があります。そしてAIとIoTとブロックチェーン、そして通信の5Gは別々の話のように見えますが、実はそれらが密接に関連して新しいソリューションが誕生します。
企業のトップである社長は食わず嫌いをやめ、先入観を排除してブロックチェーンの記事や番組を目にしたならば、ぜひそれを読むなり見るなりすべきです。技術の普及はある時点を境に一気に来ますので、油断は大敵です。
2019年9月
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