【失敗しないシステム導入】
~RFPに業務要求を記載する際に気をつけることとは? ~
ベンダに提案を依頼する際には提案依頼書(RFP:Request For Proposal)を作成します。RFPには業務要求、技術要求、運用要求、予算、納期などを記載します。このうち、業務要求については文章だけで伝えると間違いや抜け漏れが起こりやすく、適切な提案がもらえない可能性が高くなります。
今回のコラムでは業務要求を記載する際に気をつけることをご紹介します。
① 図で表す
業務要求を文章だけで表すと、読み手によって理解が異なるということがしばしば起こります。これを防ぐためには文章に加えて(もしくは文章の代わりに)図で表すと間違いがありません。例えば、開発を依頼するシステムがどのような既存システムと連携するのかを図で表す、業務の全体像を図で表すといった具合です。
既存の図資料があれば、それを添付するのも一つの手です。既存の図資料がなければ手書きでも構いません。業務要求を正確に伝えるためには図で表すことが重要です。
② 表形式で整理する
RFPの作成期間は短いことが多く、業務要求を漏れなく網羅的に記載するのは難易度が高いです。RFPを作成する側としては思いついた要求を記載していくので、当たり前ではありますが、RFP作成期間中に思いつかなかった要求は漏れてしまいます。また、RFPを受けとる側としては記載されていることが全てなので、RFPに記載されない要求は提案の対象外となります。
業務要求を漏れなく網羅的にまとめるためには文章や図だけでなく、表形式で整理するのがお勧めです。例えば、縦軸に商品カテゴリー、横軸に業務プロセスとし、どの商品カテゴリーでどの業務プロセスが存在するのか(しないのか)を整理します。表形式で整理すると視点が整理され、抜け漏れを防ぐことができます。文章や図で記載していた時には思いつかなかった要求に気づくことができますし、対象と対象外を明示的に伝えることができます。
③ データを明確にする
「受注情報」と記載した時に受け取る側によって理解は様々です。受注と明細からなるヘッダ明細型なのか、一品一葉型なのか。これを防ぐためにはどのようなデータなのかを明確にします。データの事例を明示するのも良いでしょう。
特に他システムとの連携がある場合には、どのようなデータをやり取りするのか明確になっているかどうかが適切な提案(見積金額)を得られるかのポイントになります。
以上のことに気をつけることで業務要求をより正確に伝えることができます。
2024年8月
【石井健作のコラム】