2018年4月23日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~社長のやりたいことが決まっているとシステム投資はしやすい~

システム調達のコンサルティングの依頼を受けると、中小企業の場合は必ず社長にインタビューをさせてもらうようにしています。インタビューはアイスブレークの雑談を含めてだいたい1時間くらい行います。コンサルタントとして一番聞きたいことは、社長が「何をしたいのか」ということです。「何をしたいのか」の例をいくつか列挙してみます。

〇月次決算の数字をできるだけ早く把握し、意思決定を迅速にしたい。

〇原価管理をできるだけ正確にして、儲かる商品と儲からない商品を把握したい。

〇営業担当者の売上高だけではなく、利益をどれだけだしているかを知りたい。

月次決算をできるだけ早く把握したいということとであれば、ERPや統合パッケージを導入することで、4月の月次数値は4月30日の夜に出すことも可能になります。原価管理によって収益管理の改善を図りたいのであれば、システムを刷新する前に管理会計の考え方を会社に浸透させることから始めます。そして、その管理会計の考え方に沿った原価管理のシステムを導入するのです。

「何をやりたいか」が明確になっていればいるほど、早くソリューションの選択作業に入ることができます。逆にやりたいことが決まっていないと、まずはそれを明確にする作業から始めなくてはなりません。あるいは明確にすることを省いて「とりあえず手ごろなパッケージを導入すればなんとかなるだろう」と安易な導入してしまうこともあるでしょう。「とりあえず」の安易なパッケージシステム導入をしても最近のパッケージは性能が良いので現場の業務はなんとか行うことはできるでしょう。しかし、経営課題のような上位概念の問題・課題を解決することはできません。「高額な投資をしてシステムを刷新したのに、以前と何も変わらない」という愚痴を中小企業の社長から聞くことがしばしばあります。その大半のケースで社長が「何をしたいのか」を明確に説明できないのです。

システム投資で大きな効果を生むか、それとも投資を無駄にしてしまうかの分岐点の1つが社長が「何をしたいのか」を明確に持っているかどうかです。

2018年4月