2014年11月10日
【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】
~システム企画の手順と方法(全体像)~
前回(2014年8月25日、10月7日)までに述べたよいシステム企画の条件
Ⅰ.戦略の実現を助けるものであること
Ⅱ.システム化の目的(why)、対象(what)、方法 (how)が記されていること
を踏まえ、システム企画の手順と方法についての考察と記述を行っていきたいと思います。
システム企画で行うべきことは、システム化構想とその具体化であり、その内容は
1.目的及びシステム化範囲の明確化と共有
2.概要計画の作成
3.調達フェーズへの橋渡し
です。
それぞれについて、もう少し詳しくみてみましょう。
1.目的及びシステム化範囲の明確化と共有 ----------------------------------------
以下の2つの領域において、下記の内容を調査・検討・決定して共有します。
1.1. 戦略・業務領域
経営戦略・事業戦略の内容と実現上の課題の整理
→ 解決すべき課題の選択
→ 課題解決のための手段(実行項目)の明確化
→ システム適用範囲の選択
1.2. システム領域
現行システムの調査(内部状況の把握)
→ 関連する技術・製品・サービスの調査(外部動向の把握)
→ システム化の基本方針決定
2.概要計画の作成 ------------------------------------------------------------
経営戦略・事業戦略の実現を助けるために、システムが必要になる時期を最終目標として、システムの構築順序から業務の移行、教育、訓練といったものをすべて踏まえ、全体的な開発のスケジュールを組みます。
3.調達フェーズへの橋渡し -----------------------------------------------------
前項までの内容をシステム企画書として文書化し、調達フェーズへの橋渡しとします。
記述項目としては、概ね以下のものが例として挙げられます。
・ 経営課題、業務課題
・ システム化の目的
・ 達成すべき目標
・ 新規業務プロセスイメージ
・ 新規システム環境イメージ
・ 実現ステップとスケジュール
・ 推進体制
・ 概算予算
・ 投資効果(投資回収想定)
システム企画書は、上記のような内容をもつことにより、前回記したところである
● 「この企画を実施しよう」(または「実施しない/見直しが必要」)という判断ができる
● 開発に外部事業者が関わる場合に作成されることがある提案依頼書(RFP)のインプットとなる
ように作成されます。
2014年11月
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※ 関連コラム 【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】 「システム化の目的、対象、方法」 (2014年10月7日)