2024年1月24

【失敗しないシステム導入】

システム導入におけるコミュニケーション問題の解決策とは?~


システム導入プロジェクトがうまくいかない原因には様々なものがあります。

・システム企画自体がそもそも適切でなかった

・ベンダー選定に失敗した、発注側の体制が不十分で発注者責任を果たせていない

・業務部門とIT部門と開発ベンダーの三者間のコミュニケーションがうまくいっていない

などです。今回のコラムで業務部門とIT部門と開発ベンダーの三者間のコミュニケーションがうまくいっていない場合の解決策について考えます。

進捗遅れなどプロジェクトで問題が発生した時にコミュニケーションがうまく取れていないと、業務部門、IT部門、開発ベンダーは自分たちが原因でないことを主張します。例えば、業務部門はIT部門の段取りの悪さとベンダーの経験不足のせいにし、ベンダーは業務部門の意思決定の遅さとIT部門のフォロー不足のせいにし、IT部門は業務部門の投入工数 数の少なさとベンダーの対応の遅さのせいにします。

 

このような原因の押し付け合いに時間を使ってしまうと、さらに進捗が遅れるという悪循環になります。やらなければならないタスクを見つけても進捗遅れの原因となるので放置しておくといったことにも繋がります。また、リモートが多くなり、会議の場でしか会話をしなくなり、相手の状況(誰がどのタスクを担当しているのか、負荷状況)が見えなくなりがちです。進捗に遅れがない場合には問題とならないのですが、進捗に遅れがある場合には相手の状況が見えているか見えてないかが重要になります。

 

ここで解決策のヒントとなりそうな昔の事例をあげます。

難易度が高く、納期を遅らせることもできないシステム導入プロジェクトにおいて、要件定義が終わり設計工程に入っていましたが、要件定義の積み残しも多く、予定通り進捗できているとは言えない状況でした。前述のようにコミュケーションもうまく取れているとは言い難い状況でした。設計工程の途中から広いプロジェクトルームを借りて、業務部門とIT部門と開発ベンダーが同じプロジェクトルームで作業をすることになりました。プロジェクトルームで作業するようになってからコミュケーションが活発になり、相手の状況も見えてきたことで押し付け合いもなくなり、なんとかプロジェクトを成功させることができました。

 

今はリモートが前提となっているベンダーもありますので、難しい場合もあるかと思いますが、コミュケーションが問題と思われる場合は、先ほどの事例を参考に、例えば、月に一度は対面での打合せをする、業務部門とIT部門で開発ベンダーを訪問し、どのような体制、状況で開発しているのかを知る、といった解決策が考えられます。

 

2024年1月

【石井健作のコラム】

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