2022年1月31

【失敗しないシステム導入】

画面仕様検討の際に考慮すべきこととは?~


システム開発における画面仕様の検討は、使い勝手や見た目など、個人の感性に左右される部分が多くあります。人によって言うことが異なったり、場合によっては同じ人でも時間が経つと言うことが変わったりします。


多くの場合、画面仕様はベンダーがユーザに対してヒアリングを行い、決めていきます。ユーザはその時その時で、自分が最も良いと思う仕様を伝えますが、結果として、全体視点、長期視点で見た時に、最善の仕様にならないことがあります。このようなことを防ぐために、ヒアリングに同席する情報システム部門のメンバーは、画面仕様をチェックしなければなりません。この際のチェックの視点について説明します

1.理由が明確か

画面仕様を決める際の理由を明確にしましょう。

理由が明確であれば、仕様の選択肢は狭まります。逆に理由が明確でないと、感性に頼らざるを得なくなり、選択肢は広がってしまいます。何故、そのような画面遷移にしたのか、画面デザインにしたのかなど、後で振り返ることのできるようにメモを残しておくと良いでしょう。


2.他の仕様と一貫性があるか

他の仕様と一貫性を持たせましょう。

ヒアリングに参加したユーザはその時に自分が一番良いと思った仕様を伝えますが、ヒアリングには複数のユーザが入れ替わりで参加することもあるため、そのままシステム仕様に落とし込むと一貫性がなくなってしまう場合があります。一貫性がないと、ユーザにとって使い勝手の悪いシステムになってしまいます。情報システム部門の担当者が仕様の一貫性を担保する必要があります。


3.シンプルな仕様か

シンプルな仕様を心がけましょう。

多種多様なユーザ、業務パターンを想定すると、複雑な仕様になってしまうことがあります。その結果、ユーザにとってわかりづらいシステムになってしまったり、保守しづらい(保守費用が高い)システムになってしまったりします。仕様に迷った場合には、シンプルな仕様を心がけましょう。最初にシンプルな仕様で作っておいて、後からユーザからニーズが出てきてから機能を追加すれば良いのです。いろいろなことを想定して作った機能なのに、カットオーバーしたら実際には使われなかったというのはよくある話です。

このようなことを心がけ、全体視点、長期視点で見た時に最善の仕様になるようにしましょう。

2022年1月