2022年1011

【コンサルタント散歩】

ユーザとの課題のすり合わせのポイント


システム開発のプロジェクトにおいて、ユーザと定例の報告会や要件のすり合わせで打合せを行うと思います。定例の報告会では、全体のスケジュールが分かる資料(ロードマップやWBSなど)や課題が分かる資料(課題管理表or Webツール)などを用い、要件のすり合わせでは、要件の検討を行う箇所の資料(要件定義書+α)を作成します。今回は、定例の報告会でも用いる課題が分かる資料についてのポイントを説明します。

システム開発のプロジェクトを日々進めていく中で、様々な課題が出てきますが、その課題をまとめた資料を作成し、プロジェクトの中で管理していきます。課題は、直観的な内容(この部分について、どのように業務を実施しているかなど一部分に限定した内容)や複雑な内容(ある条件下のデータについては、どのように扱えばよいかなどある程度システムを操作したうえで発生する内容)、決めの問題(パターンAとパターンBどちらがよいかなどのどちらかを選ぶ内容)などプロジェクトによって様々です。

この課題内容を文字だけで管理していないでしょうか。システム開発のプロジェクトメンバー内の場合は文字だけでも伝わるかもしれませんが、ユーザを含めて課題を管理する場合には、文字だけでは伝わりにくい部分があり、打合せの際にどこのことを話しているのか分からない場合があります。そのようなことをなくすためにも、伝わりづらい内容やどちらかを選ぶ内容などは、図や表、画面イメージ(どこの部分について聞いているのかがわ分かるイメージ図)も合わせて記載することをお勧めします。

特にユーザとの打合せは、決められた時間の中で行うので、ユーザに伝わりにくいと一つの課題を検討するだけで想定よりも時間が経っていて、その他の課題が次回の打合せに持ち越してしまう場合があります。これは、ユーザにとってもシステム開発者にとってもよくない結果ですので、そうならないようにユーザにとっても分かりやすい資料を準備しておきます。

最後に、システム開発のプロジェクトを進めていく中で課題を見返す際には、文字だけでなく図などのイメージを作成しておくと内容を思い出すのに役立ちます。可能な限りイメージ図などを作成するようにしましょう。

2022年10月

【佐藤善哉のコラム】

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