2015年1月13日

【失敗しないシステム導入】

~プロジェクト体制の評価で重要なことは?~

ベンダからの提案を評価する際には、プロジェクト体制についても評価します。プロジェクト体制を正確に評価できないと、プロジェクトが始まってから「こんなはずじゃなかった・・・」となりかねません。プロジェクト開始後にプロジェクト体制を見直すのは容易ではありませんので、プロジェクト体制の評価は非常に重要です。

今回のコラムでは、プロジェクト体制を正確に評価するための3つのポイントをお伝えします。

1.名前入りで提案してもらう

少なくともプロジェクト全体のリーダーとサブシステムのリーダーくらいまでは、名前と保有スキル、プロジェクト実績を明示してもらうようRFPで要求します。これをRFPで要求しない場合、ポジション名だけ(PM、PL、SE・・・)が記載された体制図が提案されることがあります。これでは正確なプロジェクト体制の評価ができなくなってしまいます。

2.稼働率も提案してもらう

名前だけでなく、それぞれの工程における詳細な役割と稼働率も明示してもらいます。ここでの工程は、要件定義、設計、開発、ユーザテストくらいの粒度で良いです。

“プロジェクトのリーダーが高いスキル、豊富な実績を持っていたので、高く評価し、そのベンダを選定した。だが、プロジェクトが始まってみるとそのリーダーは複数のプロジェクトをかけ持っており、稼働率は週1日(0.2人月=20%稼働)だった。プロジェクト専任である実質的なリーダーの技量がいまいちで、プロジェクトが上手く行かなかった”ということにならないためにも、稼働率を示してもらうことは重要です。

また、稼働率は工程ごとに変動するものですので、工程別の稼働率と詳細な役割も明示してもらいます。これにより、プロジェクト体制に過不足がないかを工程ごとに詳細に評価できます。

3.ユーザ側の体制も提案してもらう

ベンダ側だけではなく、ユーザ部門、情報システム部門の体制と役割分担をあわせて提案してもらいます。ベンダが何の情報もなしにユーザ側の体制を提案するのは難しいので、ユーザ部門、情報システム部門がどれくらいの人員、工数を投入できそうかRFPで提示します。

“他の提案に比べて費用が安かったので選定した。だが、プロジェクトが始まってみると、ユーザ部門、情報システム部門の負担が多く、プロジェクトが回らないことが判明した。費用が安かったのは、ユーザ側の負担が多く、その分ベンダの負担が少ないためであった”ということにならないためにもユーザ側の体制、役割分担を示してもらうことが重要です。

これら3点のポイントを提案依頼時にRFPで提示することでプロジェクト体制を正確に評価できるようになります。

2015年1月