2019年4月22日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~これからの新規事業はIT無しにはありえない~

中小企業の社長にとって最もエキサイティングでありながら悩ましいのが、新規事業の立ち上げです。新規事業を立ち上げるのにはなんらかの理由があるはずです。既存事業が以下の状況の場合は、背水の陣で新規事業に打って出ることでしょう。

▶既存事業が頭打ちで拡大の余地がない

▶上記よりもっと悪い状況、すなわち市場全体が縮小して拡大どころか存続すら危うい

▶大手企業が参入してきて、体力的に勝ち目がない

逆に既存事業が好調でさらなる事業拡大を求める場合もあります。

▶既存事業のコアスキルが他の領域にも競争力がありそうなので、新市場に進出する

▶資金的な準備が可能なので他企業に対してM&Aを行い、事業拡大を図る

▶社長が以前からどうしてもやってみたい事業があり、好業績のタイミングを活かしてチャレンジする

新規事業といっても既に他社が行っている市場に乗り込んでいくのと、誰もやっていない事業を開発し先行者になるのでは、もちろんやり方が違います。しかし、どちらにも共通するのは「IT活用なくして新規事業の成功はありえない」ということです。例えば、すでにある領域に参入する場合、先行企業との差別化が必要になります。商品やサービスの品質の高さや適切な価格設定、デザインの素晴らしさなどが競争力となります。その競争力は社員=人間の創造性によるところが大きいでしょう。一方でその創造性を拡大生産したり、マーケティングで市場に広めたりするにはITが不可欠です。また商品の適切な生産管理や販売管理、在庫調整などにもITが利用されています。

まったく新しい市場を開拓する場合もITは必要です。どんなに素晴らしい商品やサービスでも消費者に知ってもらわなければ売ることはできません。そのためには、WEBサイトで告知したり、クラウドファンディングを利用してテスト販売と消費者からのレビューを同時に行うなど、ITを駆使したやり方はいくらでもあります。もし競合会社が積極的にIT活用を行っていたとすれば、競争に勝つにはそれと同等以上にIT活用しなければ勝ち目はありません。

「商品やサービスのコアコンピタンスはITではない。デザインや機能、品質だ!」と反論される社長もいらっしゃるでしょう。それは否定しませんし、むしろその通りと思います。だからこそ、逆にその商品とサービスの良さを伝え、生産や流通の管理をするインフラとしてのITがきちんと整備され適切に使われていなければ、どんな良い商品やサービスでも砂上の楼閣にあるようなものです。土台が弱ければ勝負にならないのです。

2019年4月