2023年1016

【飛び込んでみよう!】

~セキュリティドローンの導入とメリット~


ドローンが農業や過疎地域での配送に導入されるという話はこれまでしてきましたが、人手不足は地方だけではなく都市部でも発生しています。労働者不足が深刻化している警備・セキュリティ業界でもドローンの導入が本格的に進められているようです。


セコムがAIを活用して、巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン「セコムドローンXX」を開発し、来年にも実践投入するという話があります。このドローンは、あらかじめ決められたルートを飛行し、巡回中に侵入者を発見した場合は対象者を指定することでドローンが自動で追跡します。また、外周センサーが敷地内への侵入を検知すると、ドローンが飛び立ち接近し、AIで侵入者を検知、対象者を指定すると自動で追跡するとともに映像をリアルタイムで確認することができます。

セキュリティドローンの導入には、以下のようなメリットがあります。

▼効率的な警備体制の確立

人手不足や人件費の高騰による警備体制の維持・強化に貢献します。また、人間では監視しきれない広範囲の敷地もカバーできるため、効率的な警備体制の確立につながります。

▼高度な監視能力

赤外線カメラやAI物体検知機能を搭載しており、夜間や悪天候下でも高度な監視能力を発揮します。

▼低コストでの導入

LTE通信等を使用できるため敷地内へのWi-Fi通信設備の設置が不要であり、より低コストで容易に導入できます。

 

一方で、以下のようなデメリットも考えられます。

▼プライバシー問題

広範囲の敷地を監視することが可能なため、プライバシーや個人情報保護に関する問題が生じる可能性があります。

▼技術的な問題

高度な技術力が必要になります。また、故障やトラブルが生じた場合には迅速かつ適切な対応が求められるため、従業員がドローンのトラブルの対処方法を学習する、ドローン対処が可能な従業員を雇用する、または外注するといった別コストが発生します。

 

監視可能な範囲は最大約半径6キロ、飛行時間最大20分で、自動でバッテリー交換所まで戻ることができるため24時間体制で監視作業は可能とのことです。5.7GHz帯を利用したワイヤレス電力送電システム開発も噂されていますが、今後の動向次第では更に1台当たりの稼働時間や監視可能範囲も広がっていくでしょう。

 

2023年10月

【鶴田光樹のコラム】

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