2016年9月12日
②個別システム計画
個別システム開発の概要計画に含まれることの例は以下のものです。
● 開発の目的・目標
● 開発対象と環境
● 開発方針・方法
● スケジュール
● 体制・要員
● 管理方針・方法
上記のうち、本稿では「開発の目的・目標」及び「スケジュール」について記します。
(1)開発の目的・目標
個別システムは、組織が目指す時期にあるべき姿となって、効果的に活動を行うために、その時期にそれを支えるものとして企画されます。「開発の目的・目標」は、これを踏まえて記します。前回のナイキの例のうち1つで考えるなら、以下のようになります。
目的:アディダスをやっつける(Crush Adidas)ために、
目標:いつまでに、ITを活用したビジネスプロセスを行うことによって、アディダスより魅力的な製品の製造が可能な状態を作ること。
(2)スケジュール
スケジュール作成の基本は、開始から終了までの期間に発生・実行が想定される作業項目やイベントを、時系列に配置して、各事項に適切な期間を割り当て、その実現可能性を高める仕組みを準備することです。したがって、行うことは以下のこととなります。
a)対象事項の抽出
b)各事項の時系列配置
c)各事項への期間割り当て
d)実現可能性を高める仕組みの準備
上記の各項目で注意したいことは以下のとおりです。
a)対象事項の抽出
類似事例、前例がある場合は、それらを参照します。それらがない場合、思いつくままに挙げていくのではなく、まず主要項目・大項目を挙げ、その後でその中の詳細項目を挙げていきます。
b)各事項の時系列配置
各事項間の前後関係、依存関係に注意して行います。
c)各事項への期間割り当て
抽出、配置された作業項目に、どれくらいの期間がかかるのかを試算します。この試算は対象となる作業の難易度とボリューム、要員のスキル等を勘案して行います。同一要員が同一期間に複数の作業を並行して行うことがある場合には、特に注意が必要です。
スケジュールの余裕(バッファ)の設定もここで行っておくべきことです。この場合、各作業にバッファを持たせる方法と、最後にまとめてバッファ期間を設ける方法とがあります。前者の方法では、バッファを見込んで各作業が行われ、各作業の終了時に毎回バッファを消化してしまう傾向があるため、後者の方法を推奨します。
d)実現可能性を高める仕組みの準備
全体のQCDをコントロールするために、『マイルストーン(その時に、状態はどのようになっているのか、成果物として何ができているのか)を設定すること、そのチェックのための会議体など、検討・確認・協議の場を設定すること』が重要です。
2016年9月