2021年1月18日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~予見できた社長とできなかった社長、その差は?~


2021年の1月、コロナ感染拡大が止まりません。政府からは出勤者の7割削減の要請が出されました。削減の主な方法としてはテレワークの推進です。このテレワークですが、コロナの第一波といわれた2020年の春頃から大きなテーマとなっていました。大企業を中心にテレワークを積極的に実施した企業もあれば、無策であった企業もあります。残念ながら中小企業においては、第一波の時点ではテレワークに対応できなかった企業もありました。

中小企業のテレワーク普及支援策として、経済産業省や厚生労働省は「IT導入補助金」を例年以上に打ち出しました。この政策をうまく利用して、コロナの活動が抑制された夏から秋にかけてテレワーク環境を準備した中小企業は多数あります。一方で、夏にコロナが一時的におさまると安心してしまい、特に何も手を打ちことをしないばかりか、自ら率先して出社して社員に「出社プレッシャー」を与えた社長も少なくないようです。

そんな社長が感染拡大の真っただ中、今からでもテレワーク対策ができないか、と右往左往しています。いや、右往左往する社長はまだマシなほうで、この状況でも「ウチではテレワークは無理」と開き直っている社長すらいます。「冬になればコロナは再び感染が拡大する」という情報は誰もが聞いていた情報です。無策であった社長でも「そんな話は聞いていない」とは言えないはずです。もし「聞いていない」と言い張る社長がいたら、即刻社長を退任すべきです。

コロナが弱まった夏に冬の感染拡大を予見して対策を打った社長と、特に何もせず後手に回った社長の違いは何でしょうか?それはITに関する知識でしょうか?多少はIT知識の有無もあると思いますが、最も大きいのは社長の意識が他者中心か自己中心か、ということだと思います。社長にとっての他者とは社員、顧客、仕入先などです。社員がコロナに感染したらどうなるか。取引先はコロナにどんな対策を取ろうとしているのか、そこに関心があれば「ウチではテレワークは無理」などとふんぞり返っていられるはずはありません。

「俺は大丈夫だ」、「ウチの会社は業種的に無理だから無駄なお金は使いたくない」と自分自身や自社のことを中心に考えている社長だから手を打たない、あるいは打てないのです。ITのセンス以上に、会社や社員や取引先なおステークスホルダーに対してセンスのない社長はポストコロナの会社経営は難しいでしょう。

2021年1月