2021年11月29

【RPAコンサルタントの日常】

~Azure Virtual Desktopのラグをできるだけ減らす方法


これまで当コラムで紹介してきたAVD(Azure Virtual Desktop)だが、DTPやCADの操作を行う際、ラグが発生することがある。リモートデスクトップでの作業になるので仕方ない部分もあるが、設定により改善することができたので、今回紹介する。

▼クライアントPC側の設定

何をするかというと、SNP(Scalable Networking Pack)というタスクオフロード機能を無効化する。この設定はネットワークの処理をネットワークインターフェイスにさせる機能である。これを無効化することで高速なCPUでネットワークの処理を行うことができ、高速化が見込まれる。

▼AVDセッションホスト側の設定

まずは、リモートデスクトップのFPSの最大値を上げる。FPSとは、1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す単位のことである。通常、Windows10であれば30FPSが最大値である。これをレジストリの編集で60FPSまで上げることができる。この設定によってラグの発生を抑えることができる。

▼それでもラグの発生が著しい場合は、AVD側のRDP Shortpathの設定

これは通常AVDのゲートウェイ経由でセッションホストに接続するものを、直接セッションホストに接続する手法である。ゲートウェイを経由しないので時間が短縮され、接続の信頼性が向上し、帯域が拡張される。また、高速なUDPプロトコルで通信することによってラグを軽減できる。

以上、ラグを減らすために3つの設定変更を行った。結論を言えば、この3つの設定を行っても、ラグを完全に無くすことはできなかったが、かなり軽減はできた。この設定変更によって、AVDの満足度に少しは貢献したのではないだろうか。

2021年11月