2023年11月6日
【失敗しないシステム導入】
~できるSEを見分けるポイントとは?~
要件定義や設計工程においては、ベンダー側のSE(システムエンジニア)が直接業務部門にヒアリングすることがあります。この時、できるSEかどうかによって要件定義や設計の生産性、品質が大きく変わってきます。要件定義、設計の品質は後工程に大きく響いてきますので、できるSEに担当してもらえるかは非常に重要です。
筆者は仕事柄、多くのSEの方と接する機会がありますが、その中でできるSEに共通するポイントをご説明します。
1.ディスカッションペーパーを作り、議論を整理する
ヒアリングでは空中戦を防ぐために事前に資料を作成して進めますが、時には事前に準備した資料から漏れ、議論が交錯することもあります。このような場合でも、できるSEはその場でもしくは持ち帰ってディスカッション用のペーパーを作り、議論が空中戦にならないよう、議論に重複や漏れがないように整理します。この場合、ディスカッションペーパーはきれいなものである必要はなく、あくまで議論の整理が目的ですので、簡素なもので十分です。
2.業務側メンバーの話を丁寧に聞く
ヒアリングに出席する業務側メンバーは、システムのヒアリングに慣れているとは限りません。要件をうまく整理して話せなかったり、システムに関係のない話をしてしまったりする場合もあるでしょう。この時、SEによってはイライラして話を途中で切ってしまったり、勝手に自分の意見で話をまとめてしまったりします。これでは業務側メンバーのヒアリングに対するモチベーションが下がってしまい、必要な情報を聞き出せなくなってしまいます。
できるSEは話を丁寧に最後まで聞いた上で、必要な情報を整理して復唱します。これにより、業務側メンバーは次回からどのような情報を提供すればよいか理解できます。要件定義、設計の工程で業務側メンバーを育成していくことが重要です。
3.聞き手のレベルに合わせて用語を使う
業務側メンバーのITリテラシーは様々です。IT用語、IT略語を知らない業務側メンバーもいるでしょう。いきなりIT用語、IT略語を連発してヒアリングを始めるSEもいますが、できるSEは聞き手のレベルを見極めながら、相手に合わせて用語を使い分けていきます。
以上ができるSEを見分けるポイントとなります。残念ながら上記に当てはまらないSEが担当になった場合には、遠慮なくベンダーの営業やプロジェクトマネージャーに担当変更を申し出ましょう。冒頭にも申し上げた通り、要件定義、設計の品質は後工程に大きく影響するので妥協してはいけません。
2023年11月
【石井健作のコラム】