2014年7月22日

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】

~よいシステム企画の2つの条件~

当社では情報システム活用のサイクル全体(企画、調達、活用)のコンサルティングサービスを提供しています。

情報システムがそれを活用する主体にとって効果的なものとなるためには、企画、調達、活用のそれぞれのフェーズが適切に実行され、各フェーズ間の連携がとれていることが必要です。各フェーズはそれぞれの先行フェーズを受けて実施されるもので、先行フェーズの成功は後続フェーズの成功の必須条件です。

このブログでは、主に上流工程にあたる情報システム企画について考察してみたいと思います。最初に、考察の対象についての認識を明らかにすること、情報とは何か、情報化とは何か、そして情報システム企画とは何かを明らかにするところから始めてまいります。

情報とは、広辞苑第五版によれば、「あることがらについての知らせ」、「判断を下したり、行動を起こしたりするために必要な種々の媒体を介しての知識」とされています。ここから、情報化とは、「知らせや知識が判断や行動の助けとなる状況を作ること」と考えられます。

Wikipediaの解説には、情報化とは「IT(たとえばWWWやその他の情報交換技術)によって、経済や社会の関係を、文化的・経済的障壁が最小化された状態に変化させる過程」という記述がみられます。これを合わせて考えると、情報化とは「ITによって、二者あるいはそれ以上の関係者間の障壁を最小化し、知らせや知識が判断や行動の助けとなる状況を作ること」と考えられます。

組織における情報化とは、ITを使って組織の内外に存在する情報を活用可能な状態にして、組織の目的を果たすために必要な判断や行動、すなわち意思決定とそれに基づく執行を助ける状態を作ること、情報システムはこれを実現する仕組みといえるでしょう。

情報システム企画(以降、本稿では適宜、「情報システム企画」を「システム企画」、「情報化 / 情報システム化」を「システム化」と記します)とはこの仕組み作りを企画することです。では、よいシステム企画の条件とはどのようなものでしょうか。私は、以下の2点であると考えます。

1.戦略の実現を助けるものであること

2.システム化の目的(why)、対象(what)、方法(how)が記されていること

次回以降、これらについて、またこれらを実現するためのステップやその際の考慮事項について記述して、考察を加えていきたいと思います。

2014年7月

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※ 関連コラム 【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】 「戦略の実現とシステムの関係」 (2014年8月25日)