2014年12月1日

【システム企画のマインドマップ活用術】

~「1ブランチ1ワード」に隠された効果~

マインドマップの基本的なルールとして、「1ブランチ1ワード」はご存知の方も多いかと思います。筆者が企業や学校で講師を行う時も最初に伝えるルールの1つがこのルールです。なぜ文章で書かない方がよいのでしょうか。今回はこのルールに隠れた効果をご紹介します。

「新版 ザ・マインドマップ(ダイヤモンド社)」にも載っているフレーズの例を参考に、実験してみることとします。

「とても不幸な午後」

このフレーズをそのままブランチの上に書きます。午後に相当な良くない出来事があったことが感じられます。しかし、これは真実でしょうか?本当に不幸な午後だったのでしょうか。これを分析していくため、単語で分けていきます。

※(~のブランチ)は上記マインドマップを参照

「午後」「不幸」「とても」のように単語で分けてみると、それぞれの言葉から連想が広がるようになります(緑のブランチ)

更に、12時を指す時計のイメージの後に「後」「幸」「不」と細かく分解をしていくとどうでしょうか(紫のブランチ)。最初のフレーズだけではわからなかった幸せという視点を発見できます。

これにイメージを付け加えていくと、より詳細に午後の出来事やその時の気持ちがよみがえってきます(赤のブランチ)

フレーズでの表現と、「1ブランチ1ワード」のルールに従いマインドマップにした表現を比べてみるとまず情報量の多さが異なります。「とても不幸な午後」というフレーズだと、悪いことしか起きなかったと物事を限定的に捉えてしまいがちになります。マインドマップを使って単語やイメージで分析していくと、悪い出来事だけではなく、‘コーヒーを飲みながら友人と楽しくおしゃべりをした’とか、‘自分の提案が採用された’といった幸せな出来事もあったことに気づきます。

読者の皆様も仕事をする中で、新しいアイデアや問題解決の方法を見出さねばならないといった壁に遭遇したときに、物事を1つの面からだけでなく様々な面から捉える思考を身に着けておくことでその壁を越えられる確率は確実に上がるでしょう。

また、マインドマップは創造性を高める思考ツールとよく紹介されていますが、今回紹介した「1ブランチ1ワード」というルールはその創造性を高める1つの重要なポイントとなっています。

一見落書きのように見えるマインドマップですが、ルールの1つ1つに優れた効果が隠れているのです。

2014年12月