2018年10月22日

【失敗しないシステム導入】

~ブロックチェーンアプリのRFPとは?~

2018年9月21日(金)、28(金)に「ブロックチェーン・アプリケーション開発力養成講座2018」(株式会社インプレス主催:https://b-event.impress.co.jp/event/blockchain201809/)に参加してきました。座学だけでなく、実際にブロックチェーンアプリを開発する演習もあり、非常に有意義なセミナでした。満席ということで、ブロックチェーンアプリへの興味が高まっていることを実感できました。

セミナ受講後にもブロックチェーンアプリのRFPの特徴を考えてみました。ブロックチェーンアプリであっても発注者とベンダが存在すれば、通常のアプリと同様にRFPを作成することになります。ブロックチェーンアプリでは、どのようなデータをブロックチェーンとして格納するかが重要になります。通常のアプリのRFPに比べて、管理するデータ項目をより具体的に定義する必要があります。セミナにおけるシナリオ作成演習でもデータを洗い出すタスクがありました。

通常、要件定義工程で必要となるデータモデリング、データ項目定義といったスキルがRFP段階で必要になってくると考えます。また、そのアプリが本当にブロックチェーンで実装するのに値するのかを判断することも重要です。現状「ブロックチェーン」がバズワードになっていることもあり、通常のデータベースで実現可能なアプリを無理やりブロックチェーンで実装しようとしている案件が多くあります。

POC(Proof Of Concept:概念検証)であれば良いのですが、そうなれば、ブロックチェーンへの適性を比較評価した上で、ブロックチェーンで実装するかどうかを決める必要があります。セミナでも評価表を作って、複数の案件について、ブロックチェーンの適性を定量化し、最もブロックチェーンに適したものを選択する演習がありました。比較評価するためには、ブロックチェーンアプリで扱うデータ、業務フローを明確にし、ブロックチェーンの特徴(得意/不得意、できること/できないこと)と照らし合わせる必要があります。通常のアプリでは業務フローを割愛する場合もありますが、ブロックチェーンアプリのRFPでは業務フローは必須と考えます。比較評価のためにはブロックチェーンの特徴を理解していなければなりません。特徴を理解できていないと、ブロックチェーンで実装する必要のないアプリを「なんとなく」ブロックチェーンで開発してしまうことになります。

上記を踏まえ、現時点で筆者が考えるブロックチェーンアプリのRFPの特徴は以下の通りです。

①管理するデータ項目をより具体的に定義する

②業務フローは必ず定義する

③定義したデータ項目、業務フローともにブロックチェーンへの適性を評価する

④RFP作成者のブロックチェーンの特性に対する理解度がRFPの品質を左右する

ブロックチェーンに関する知識を蓄え、適用事例に多く触れることで、これらの特徴をブラッシュアップできると考えています。ブラッシュアップできたら、あらためてこの場で紹介したいと考えています。

2018年10月