2023年12月12日
【目指せ!AWS認定マスター】
~第二回 AWSとは~
AWS認定を取るとなれば、当たり前ですがAWSの知識が必要となります。今回はAWSがどのような目的で作られたサービスなのか、どのような場面で利用されるのかを説明します。
◆ AWSの概要
AWSはAmazon Web Serviceの略です。
Amazonというとインターネット通販(ECサイト)のプラットフォームというイメージが強いですが、現在のIT業界ではECサイトよりもAWSの方が重要なサービスとして位置づけられていると感じます。これはインターネット上で提供するあらゆるサービスを作る際の基盤(インフラ)としてAWSが利用されているからです。
このインターネット経由で提供されるインフラはパブリッククラウドと呼ばれており、現在AWSは最もシェアの大きいパブリッククラウドとなっています。有名なところで言うと、任天堂やSONYといった企業も提供するサービスにAWSを採用しています。
◆ AWS誕生の経緯
AWSの誕生の経緯はAmazonのビジネスモデルをうまく利用したものです。
もともとAmazonはECサイトを運営するために巨大なデータセンターを持っていました。ECサイトの特徴として年末などのセール期には稼働率が上がり、そうでない時期は稼働率が下がるといった特性があります。
サーバーのスペックとしては繁忙期に合わせる必要があるため、閑散期はサーバーの能力を持て余してしまいます。もちろんそこには維持コストも発生しています。そこでこの余剰分のサーバーを貸出することで維持コストを補おうとしたのが始まりとされています。2006年のサービス開始時点は2つのサービスのみでしたが、2023年現在200を超える巨大なサービスを形成するに至っています。
◆ AWSの特性
AWS以前にもサーバーを貸出するサービスは存在していました。いわゆるレンタルさーバーというものです。しかしそれらとAWSなどのサービスは別物とされています。その理由は何故でしょうか?
私は主な違いは大きく分けて以下の3つだと感じています。
①柔軟性
レンタルサーバーの場合は、サーバーの契約がありそれが完了した時点で契約に応じたスペックのサーバーが利用できるようになります。
AWSの場合は、アカウントを持っていれば契約を挟まずに好きな時にサーバーを立てることができます。また、その都度必要なスペックを変えることもできます。
②課金形態
レンタルサーバーの場合は、スペックに応じて契約を行いそこに契約金が発生します。
AWSの場合は、自分でサーバーを立てた瞬間から利用時間や通信料といった観点で課金されていきます。サーバー利用を終了すれば課金も終了します。
③運用方法
AWSはレンタルサーバーに比べて運用の幅が広いと言えます。基本的にレンタルサーバーは管理をベンダー側が行うのですが、AWSの場合はサーバーの設計や構築、運用まで柔軟に行うことができます。場合によってはデメリットと感じる可能性もありますが、スキルレベルに応じてこれを補うサービスも提供されており、一般的な設計や設定を含んだパッケージを利用することも可能となっています。
このように見ると、AWSの方がユーザーの自由度が高いように感じます。もちろん個々で得意不得意があるので一概にどちらが優れているということはありませんが、AWS等のパブリッククラウドが選ばれるケースが増えているのは、上記のような違いが一因となっているからです。
次回以降、AWSのサービスの紹介と認定資格で問われる部分について解説していこうと思います。
2023年12月