2021年719

RPAコンサルタントの日常】

Office展開ツールを用いたアップデート管理


前回(210531)、Adobe Update Serverについて記述したが、アップデートの管理においてより注視しなければならないものがある。Microsoft Officeのアップデートである。Officeのアップデートは現在WSUS(Windows Server Update Service)に含まれていない。(注:古いOfficeはWSUSにあるが現在のバージョンはない)よって、通常ではインターネットからダウンロードするしかなく、バージョン管理もできない。つまり、アップデートが集中すると、インターネット回線が逼迫する可能性があり、アップデートすれば常に最新のOfficeになるため、既存のマクロなどが動かなくなる可能性がある。Adobeのソフトと違い、Officeのソフトはほとんどの人が使用しているため、対象範囲が広い。

この問題を解決する手立てとして、MicrosoftはOfficeのアップデートを管理するツールを提供している。その名も「Office展開ツール」である。このツールはOfficeを展開、つまりインストールする際に使用するツールだが、実はアップデート機能もある。どのようなものかというと、既存のファイルサーバーにOfficeの更新プログラムを保存しておくというものである。そしてクライアントPCは保存した更新プログラムを見に行き、定義されやアップデートポリシー(半期ごと、一ヶ月ごと 等)に従ってアップデートする。とても簡単な仕組みである。だが、これによりインターネットの帯域逼迫を回避し、Officeのバージョン管理ができる。

Windowsのアップデートは管理していても、Officeのアップデートは管理されていないとすれば、セキュリティ対策は不十分である。Office展開ツールは比較的簡単に導入できるので、この機会にOfficeのアップデートの見直しをしてはいかがだろうか。

2021年7月