2017年1月30日

【RFPコンサルタントの日常】

~ラスト1マイル(ベンダ選定フェーズ編)~

ベンダ選定フェーズのラスト1マイル

前回(2016/11/28)RFP作成フェーズにおけるラスト1マイルについて「RFP自体の発行だけでなく、次フェーズであるベンダ選定工程を見据えた周到な準備・調整をする必要がある」ということを記載した。

ではベンダ選定工程のラスト1マイルはなんだろうか。考え方は同じである。次フェーズを見据えた準備・調整がラスト1マイルとなる。次フェーズとは、ベンダとの契約だけでなく、開発の最初のフェーズすなわち多くの場合要件定義フェーズについても見据えておくことが肝心である。以下、ベンダ選定工程のラスト1マイルである、契約と要件定義フェーズ準備について紹介する。

ベンダとの契約について

開発ベンダが決まったら、すぐに契約の手続きに進められるよう、ベンダ側の契約書雛形を取り寄せておきたい。あるいはRFPの時点で契約書雛形の提示を求めるのもよい。(自社の契約書雛形を使用する場合は予め、或いはすみやかに提示するのが肝心である。)法務部門のリーガルチェックはある程度時間がかかる。また法務部門が不得意とするIT的な箇所はシステム部門がみる必要がある。評価の間など、事前に法務部門に確認してもらえればいいが、何社も確認してもらうわけに行かない場合がある。その場合も事前に取り寄せておけば、決定したベンダ分だけすぐに法務部門に渡すことができる。

契約折衝が長引くことで開発期間が短くなってしまってはならないし、開発期間を気にするがあまり、契約折衝をおざなりにしてはならない。

要件定義の準備

契約折衝が終われば、すぐに開発開始であることが多い。よってベンダ選定後すぐに開発の準備をする必要がある。そして開発の準備のマイルストーンとなるのは、キックオフである。このキックオフ時に要件定義のスケジュールや実施事項を発表できるように、社内とベンダと調整し、下記を定めておきたい。

〇 本番稼働までのマスタスケジュール

〇 直近1ヶ月の具体的なスケジュール

〇 実施体制と役割(両社)

〇 発注者・ベンダ双方で準備しておく資料

〇 要件定義の進め方と終わり方

上記はどれも重要だが、着目して欲しいのは「要件定義の進め方と終わり方」である。あえて「終わり方」と書いたのは、要件定義の終了条件つまり、定まった要件がどのように合意されるのかが非常に重要だからである。この合意についてのプロセスを明確にしておかないと、極論であるが、なんとなく要件定義が終わってなんとなく基本設計に入るということになりかねない。できればキックオフ時までに明確にしておきたい。

2017年1月