2015年3月2日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~後継者にCIOやCMOの経験を積ませよう~

中小企業もその経営形態は様々ですが、「社長の息子(娘)が次期社長」という同族経営を行う会社も多いことでしょう。社長が自分の子供を後継者として育てるために、社内のどのポジションを経験させるか?これまでの中小企業では下記の2つのどちらか、あるいはそのミックスが大半でした。

① 営業を主に経験させる。

営業課長からスタートして営業部長 → 営業担当役員 → 専務 → 社長

② 財務や総務など管理系に主眼を置く。

財務・経理・総務などの管理職 → バックオフィス系を統括する役員 → 専務 → 社長

しかし、これからの時代、中小企業の2代目3代目に求められるキャリアパスはずばりCIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー=情報統括役員)とCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー=マーケティング担当役員)です。CIOはわかりやすく言うと「情報システム担当役員」のことです。

経営の3大資源といえばかつては「人、物、金」でした。そして4番目の資源として「情報」が登場するようになりました。最重要な資源は今も昔も「人」で決まりでしょうが、その次に重要な資源といえば物でも金でもなく「情報」を挙げる経営者が多いのではないでしょうか。

情報をITを用いて管理統括し、それらの情報の利用方法を経営の観点から考えるのがCIOです。そして、社内外の情報を駆使して会社全体の売上や収益を増大させる部門がマーケティング部門といえるでしょう。セールス(営業)とマーケティングの違いは多くの読者がすでにご存じのことと思いますので説明は省きますが、インターネットが普及し、ビジネスのあり方が大きく変わった現代の経営において、マーケティングの重要性は高まる一方です。

創業社長と2代目3代目に求められる資質は当然のことながら異なります。先見の明があり、抜群の行動力とリーダーシップを持った創業者はカリスマです。しかし、カリスマは0を1にする創業期と1を10にする最初の成長期には必要不可欠なものですが、10を20、30、そして100と成長させる2代目3代目に求めるものではないです。

大事なのは最重要資源である「人」と「情報」をきちんと把握できる能力です。そのためには営業だけでなく、IT部門やマーケティング部門もしっかり経験させることをお勧めいたします。

2015年3月