2017年12月18日
【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】
~システム企画においてコンサルタントはどのような時に有効か③~
前回(2017/10/30)の「戦略領域」に続き、今回は「システム領域」での場合を記します。
1.目的及びシステム化範囲の明確化と共有
<システム領域>
①現行システムの調査(内部状況の把握)-----------------------------------------------
【行うこと】
a)現行システム仕様の調査
b)現行システム利用状況の調査
【注意すること】
a)既存文書と現状の相違があればアップデートする。
b)現行システムのよい点と悪い点の両方を調査して、将来ニーズを想定する。
【コンサルタントが支援できること】
a)調査範囲・対象、調査項目、調査方法(RFIはここで発行する)等に関する検討・決定、テンプレートの提供、調査実施。
②関連する技術・製品・サービスの調査(外部動向の把握)----------------------------------------------
【行うこと】
a)利用可能なITソリューション(製品・サービス)の調査(特徴、事例、費用感等)
【注意すること】
a)基本的な特徴とともに、応用可能性、実際性を把握する。
b)業界の先端を行く場合と業界の一般的実態に合わせる場合の両方を調査する。
【コンサルタントが支援できること】
a)前項と同様(RFIはここで発行する)。
③システム化の基本方針決定----------------------------------------------
【行うこと】
a)自組織に合うIT活用構想とその実現の基本的な考え方を決定する。
【注意すること】
a)ITソリューションの期待効果と組織のIT活用・管理レベル(ITガバナンス)のバランス
・・・何を目的とし、どんな問題を解決するか、その時にITをどのように活用するか、それは自分たちに使いこなせるか、資源投入をどのような考え方で行うか。
b)適切・可能な費用予測の精度
【コンサルタントが支援できること】
a)採用するITソリューションの評価(場合によっては選択)に関わる以下の事項
・・・②で調査したITソリューションの適用可能性検討
・・・ITソリューションを適用した場合の効果測定(例:顧客価値創造、内部プロセス改善にどのような効果が想定できるか)
・・・ITソリューション適用上の問題・課題の抽出
・・・評価と意思決定
2.概要計画の作成
【行うこと】
a)調達、開発・導入、活用に向けての概要計画を作成する。(2016/8/1、2016/9/12参照)
【注意すること】
a)経営・事業・業務上の目標達成時期とIT活用開始時期、効果獲得時期の適切性
b)計画の正当性、合理性、現実性
c)全体計画の中での個別計画(プロジェクト)の位置づけ及び実施時期
【コンサルタントが支援できること】
a)制約条件の整理
b)マイルストーンとそのクリア基準の設定
c)リスク想定と対応方針案の案出
3.調達フェーズへの橋渡し
【行うこと】
a)調達対象の案及び内部調達と外部調達の範囲の案を決定する。
b)成果物(システム企画書)の承認と調達フェーズへの移行の承認を取得する。
【注意すること】
a)内部調達と外部調達メリット/デメリット(リスクを含む)
b)外部調達の場合に提案依頼書(RFP)等で提案依頼先に開示する範囲と内容の適切性
【コンサルタントが支援できること】
a)成果物(システム企画書)の完成
b)調達計画の作成準備(RFI及びRFPの作成・発行予定の検討と準備)
上記のそれぞれの場面で大小様々な「意思決定と行動」が必要となります。専門知識・ノウハウ、外部の視点、外部の立場を持つコンサルタントが役に立つところに、うまく活用していただければと思います。
2017年12月