2020年12月21日

【失敗しないシステム導入】

~今、IT戦略を見直すべき理由とは?~


2020年11月以降、新型コロナウィルスの感染者数、死亡者数とも増加の一途を辿っています。企業、システムを取り巻く状況が大きく変わってきており、このような状況下においてはIT戦略(システムグランドデザイン、ロードマップ)の見直しが必要です。その理由を説明します。

1.経営戦略の変化

新型コロナウィルスは、経営環境に大きな影響を与えました。利益が減少した企業、増加した企業、どちらもありますが、やはり利益が減少した企業が多く、減少の度合いもこれまでにないものでした。ターゲットとする顧客層が変わったという企業も多いでしょう。こうなると経営戦略を見直さざるを得ません。IT戦略は経営戦略をもとに策定されますので、経営戦略が見直されたのであれば、合わせてIT戦略も見直されるべきです。経営戦略だけが見直されて、IT戦略と乖離することがあってはいけません。

2.社内外のIT環境の変化

新型コロナウィルスは社内外のIT利用環境にも大きな影響を与えました。例えば、社内、取引先視点で言えば、リモートワークが当たり前になったり、消費者視点で言えば、スマホを利用した非接触型のサービス(QRコード)のハードルが下がったりしたことなどが挙げられます。これまでのIT利用環境ではできなかったことができるようになったり、不要だったことが必要になったりと前提が大きく変わっています。古い前提で策定されたIT戦略は見直さなくてはなりません。

3.新型コロナウィルス対応で導入されたシステムの存在

新型コロナウィルス対応で、急遽システムを導入した企業も多いでしょう。例えば、IT戦略で策定していた計画より前倒しでリモートワークの環境を整えたり、計画にはなかったが販売チャネルを増やすためにECサイトを立ち上げたりといったことです。IT戦略と実際のシステム導入が乖離している状態です。

また、早期導入を優先したために他システムとの連携が後回しにされている場合もあります。先ほどのECサイトの事例で言えば、顧客マスタが顧客管理システムと連動していないといった形です。全体最適の視点でIT戦略(システムアーキテクチャ)を再検討しなければなりません。

IT戦略の陳腐化を防ぐためにも新型コロナウィルスによってもたらされた変化を、IT戦略に反映させなければなりません。それを元に投資計画、プロジェクト計画も見直す必要があります。

2020年12月