2018年4月16日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

~クラウドについて考えてみる①~

ここしばらくWindows Updateの話やVPNやクラウド関連の話題ばかりで、そろそろ新しいテーマなりタイトルなりに切り替えたほうがよさそうな状態になっていますが、今回もやはりクラウド関連の話題です。

私は日常メインで使用しているのはMacbook Airで、この中でWindows10の仮想マシンを起動させっぱなしにして常時2つの環境を利用可能な状態にしています。並行してiPhoneも常に携帯して状況に応じてこれらの機器・環境を行ったり来たりしています。このように複数の作業環境を利用していると、思いの外さまざまなクラウドサービスを利用することになります。

例えば、いずれの環境でもiCloud Drive、OneDrive、Google Dropboxが利用可能な状態になっています。また、このような各社のクラウドサービスストレージに加えて、VPN経由でオフィス内に設置したファイルサーバも利用可能になっています。これらの各種クラウドサービスストレージに加え、iOSとMac OSで同期しているメモアプリ、マイクロソフトアカウントで利用できるOneNote、GoogleのKeepやEverNoteなど、各社が提供するメモ系アプリケーション・サービスも利用可能になっています。

仕事がら各種のアプリケーションやサービスについてそれなりに知っている必要もあるし、それぞれの内容に対する個人的な興味もあるため、これらのサービスがリリースされる度にどんどん追加して使ってみてきたのですが、絶対にコレというメインの環境を定めないまま何年も経過すると、各種のファイルや忘備録などがあちこちに散在した状態になってしまし。頻繁に使用するもの以外はいったいどこを開けば必要な情報にアクセスできるのか戸惑ってしまうことがしばしば起きています。

ところで、自分自身は今のところ見舞われたことはありませんが、これらクラウド上のストレージサービス、特に無料で提供されているものについては、突然サービス終了というリスクも考慮に入れておかないと痛い目にあうこともあります。試しに「クラウド・ストレージ・終了」といったキーワードで検索してみるとそういった事例がぞろぞろ見つかりますが、それなりの料金がかかる法人向けサービス以外はうっかりしていると突然大量のデータを失う危険があることを頭に入れておく必要があります。

また、無料でも名前が通っていて信頼できる企業が提供しているサービスだから大丈夫だろうと思っていても、例えば、MicrosoftはOneDriveの前身であるSkyDriveの時代に最大容量2GBから25GBに拡張してからしばらくして7GBに縮小したことがあるし、Google DriveやAmazon Driveでも容量無制限を始めてからしばらくして「やっぱりやめました」と手のひらを返したことがあり、その際に超過分の行先探しで慌てている場面もしばしば目にします。

業務用として有償で提供されているサービスであっても、いつ経営がおかしくなってサービスが突然終了されてしまわない保証はありません。既に社会インフラ化しているといってもいいMicrosoftやGoogle、Appleなどであれば、インフラ部分については何らかの引受先が手当される期待はできますが、そうでなければ本当にいきなり利用不能になることを覚悟してバックアップを確保しておく必要があります。

実際のところ、この類のサービスを利用する場合、こういったことまで考慮して利用している人はごく少数でしょう。しかし、企業内システムの延長としてこれらのサービスを利用していくのであれば、クラウドサービスに対して先に挙げたようなリスクとそれに対する対応策を考慮していくことが必要なはずです。こんなことを描いておいて、自分はどうだと突っ込まれると何とも言えないのですが、次回あらためてこのあたりを考えてみたいと思います。

2018年4月