2024年41

【失敗しないシステム導入】

プロジェクトメンバーが交代する場合にやるべきことは?


一旦システム導入プロジェクトが始まったら、業務部門、情報システム部門、ベンダーともにプロジェクトメンバーは変更しないというのが基本ですが、社内の異動や家族の事情などでプロジェクトを離れなければならないメンバーが出てくることがあります。今回のコラムでは、プロジェクトの途中でプロジェクトメンバーが交代する場合にやるべきことについて説明します。

① 後任を決める

まずは早急に後任を決めます。引継期間は長ければ長いほど良いので、できるだけ早く決めましょう。業務部門、情報システム部門のメンバーであれば、同等以上のスキル、経験を持った人をアサインしてもらいます。プロジェクトの途中でメンバーが交代するリスク、後任メンバーの重要性を社内に説明しましょう。ベンダー側のメンバーであれば、ベンダー側の責任で適切なメンバーをアサインしてもらいます。プロジェクトの途中でのメンバー交代は、プロジェクトの遂行上、インパクトの大きいイベントですので、ステアリングコミッティ(プロジェクト運営委員会)も巻き込んで後任を決定します。

 

② 引継ぎリストを作成する

引継ぎリストを作成します。離任するメンバーがスケジュールや課題一覧表で管理されていないタスクを抱えているかもしれません。既存のメンバーに引継ぐものもあれば、後任のメンバーに引継ぐものもあるでしょう。プロジェクトメンバーでも共有し、引継ぎに漏れがないようにします。引継ぎ期間中に引継ぎが完了しない場合もあるかもしれません。引継ぎが完了していないものについては課題として取り扱い、対応策を検討します。

 

③ プロジェクトメンバーに周知する

なるべく早期にプロジェクトメンバー全員に周知します。悪いニュースほど早く共有するのは基本です。社内の異動が絡んでいたり、後任が決まっていなかたり、プロジェクトメンバーを不安にさせたくないといった理由で周知を後回しにする場合がありますが、プロジェクト推進上は悪影響しかありません。プロジェクトメンバー全員が共有できていることで引継ぎの品質を高めることができます。

 

やむを得ない理由でプロジェクトを交代せざるを得ない場合、いかにプロジェクトの進捗に悪影響を与えずに乗り切るかがプロジェクトマネージメントの腕の見せ所となります。

これらのポイントが参考になれば幸いです。

 

2024年4月

【石井健作のコラム】

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