2015年10月26日

【失敗しないシステム導入】

~ベンダの時間を無駄にしないためにユーザ企業が意識すべきことは?~

システム導入が成功するかどうかは、ベンダの生産性に掛かっています。システム開発プロジェクトは、限られた期間、時間(工数)、コストで完遂しなければなりません。限りある時間で最大の効果を出せるかどうか、つまり高い生産性を発揮できるかどうかがポイントになります。

ベンダの時間は無限ではありませんので、発注側のユーザ企業としては、ベンダが無駄な時間を使っていないかを常に意識しておく必要があります。ユーザ企業がベンダに無駄な時間を使わせている場合も多く見られます。ベンダの時間を無駄にしないためにユーザ企業が意識すべきことを以下に述べたいと思います。

1.会議に無駄な時間を使っていないか?

何かあると時間帯を問わず、とりあえずベンダの関係者全員を呼び出して会議を実施していませんか?ベンダ担当者が本来参加しなくてもよい会議、および会議参加のための移動に時間を取られ、プロジェクト作業に支障をきたしている場合があります。

会議の数、参加者ともに最小限に抑えるようユーザ企業側で意識すべきです。また移動時間によるプロジェクト作業への影響が最小限になるように会議の実施時間帯についても朝一、夕方にするなど気を遣いましょう。ユーザ企業側でベンダに往訪するのも一つの手です。電話会議で済むのであれば電話会議で済ませましょう。

2.資料作成に無駄な時間を使っていないか?

ベンダが手書きのままで良い中間資料の清書に時間を掛けていたり、設計書とほぼ同じ内容の議事録を作成したりしていることがあります。また、資料の装飾に必要以上に時間をかけている場合もあります。

成果物の数は最小限にするように意識しましょう。また、中間資料については手書きをスキャンした電子媒体でもよしとするなどの対応も必要です。資料の見やすさは重要ですが、必要以上の装飾に時間を取られていないかチェックしましょう。

3.プロジェクト体制のミスマッチで無駄な時間を使っていないか?

ベンダ担当者が専門分野とは異なる作業を与えられたり、もしくは能力以上の作業を与えられたりして、その場しのぎの勉強に時間を費やしたり、一人で悩んで時間を無駄にしていることがあります。また、ユーザ企業側で実施した方が早い作業をベンダが時間をかけて実施している場合もあります。

適材適所で作業が割り当てられているかをチェックしましょう。適材適所になっていなければ、ベンダのプロジェクトマネージャ、もしくはその上司に相談して、プロジェクト体制、役割分担を見直してもらいましょう。場合によってはユーザ企業側で作業を引き受けることも必要です。ベンダ側でミスマッチを気づいていてもなかなか自分たちでは見直しに踏み切れないものです。プロジェクト体制、役割分担についてはユーザ企業側から要望をどんどん出すべきと考えます。

ユーザ企業は高い開発費用を払っていることもあり、ベンダにはどんどん働いてもらいたいと考えがちですが、時間は有限です。なるべく有益に時間を使ってもらうためにも時間を無駄にしていないかを常に意識することが重要です。

2015年10月