2015年4月27日

【RFPコンサルタントの日常】

~プロジェクトの流れから見た旅行~

プロジェクトとしての旅行

旅行はいわば一つのプロジェクトである。よって、プロジェクトマネジメントの手法・経験が役に立つ。とはいっても、旅行はレジャーなので厳密にマネジメントしているわけではない。あくまでプロジェクトマネジメントの技法を少々拝借するレベルである。旅行の時ぐらい仕事のことは忘れたい。忘れたいが、染みついてしまっているものは仕方ない。当コラムはプロジェクトの流れで旅行内容を記したものである。

プロジェクトの立ち上げ

今回の旅行の範囲、日程はすでに決まっている。メンバーやおおよそのコスト感も決まっている。範囲は沖縄である。娘は一度も海を見たことがない。せっかくなので絵画のようにきれいな海を見せてやりたい。年齢的に海外は保護者に多大なストレスがかかるであろうため、国内にした。また筆者や家族は一度も沖縄に行ったことがないのが決めてであった。

日程は4月。春休み後、ゴールデンウィーク前の比較的空いている期間とした。ぎりぎり海開き後である。コストは皆様には秘密だが、けっして豪奢な旅行ではない。

プロジェクトの計画

まず目的、目標を定める。今回で言えば目的は「大人は休養、子供は新しい体験」である。それを達成するための目標として「日程の半数を休養に充てる」とする。残り半数を子供に充てるのである。わが娘はまだ2歳。何をするにも新しい体験となる。本来ならば「子供は新しい体験」にも目標を立てるべきだが、ここでは割愛した。なお、この目的・目標は娘以外のメンバーと共有している。

次に情報収集・分析を行い、ホテルや観光地、移動手段の情報を仕入れる。「大人が休養するにあたり良いホテル」「子供連れでも楽ができる移動手段」の情報は欠かせない。

そしてスケジュールである。行きたい場所を列挙し、その場所でやりたいこと、場所に到達するための交通手段などを洗い出し、実際のスケジュールに落とし込む。

あとは、リスク管理である。子供が風邪をひく、不意の雨が降るなど、不確定要素を簡単に列挙し、薬や傘を用意するといったリスクに対する準備を行う。

プロジェクトの実行・監視

さて、いよいよ旅行である。結果からいえば、大きな障害なくすべての旅程を完了した。

しかし、目的である「大人は休養、子供は新しい体験」の「大人は休養」の部分が若干満足のいかない結果になった。たとえばホテルのプールサイドでゆっくりしようと考えていたが、実際はプールサイドで遊ぶ子供の監視をしなければならず、思うように休息をとることができなかった。解決策として交代で子供の世話をすることにして、目的を達成することとした。

プロジェクトの終了

今回の旅行の反省である。旅の思い出をたどりながら旅程を一つ一つ検証していった。

例えば飛行機である。今回JALのクラスJという比較的シートのゆったりとしたプランを利用した。ところがこのシート、肘掛が上にあがらないのである。肘掛を上にあげてシートを横断させた形で娘を寝かせようと考えていたので、この想定外は痛かった。幸いにして、娘が寝ずにおもちゃ遊びで静かだったため事なきを得たが、寝ぐずった場合、機内でつらい思いをしたに違いない。肘掛があがるかは幼児がいる身にとって確認すべき事項である。

また、おむつ替えについても注意が必要であった、東京と違い、デパートなどにある「多目的トイレ」の数が少ない。また通常のトイレにおむつ替えベットがついていない。小の場合はトイレで手早く交換できるが、大の場合、狭いトイレでお尻を拭くことは困難である。トイレ、できれば多目的トイレの場所を把握するとともに、代替手段を想定しておくとよい。

このように、レジャーといえども思い通りにならないのがプロジェクトである。今回の件で言えば、思い通りにならない要因として、娘が正確にはプロジェクトメンバーでないということが挙げられる。つまりプロジェクトの目的・スケジュールなどを共有していないのである。

「プロジェクトは生き物である」・・・比喩を込めて当コラムを終えることとする。

2015年4月