2023年58

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

社長は気づかない若手社員の不満・不満とは?


人手不足がますます深刻化してきました。特に知名度や体力のない中小企業は採用したくてもできない状況になってきています。かく言う当社も社員の中途採用には苦労しています。採用支援サービスを使うと、転職希望者は多数いるようにみえますが「とりあえず登録」の方々もいて、特にスカウト型は面談までこぎつけるのさえ難しい状況です。


このような厳しい人材不足の中で特に社長を悩ませるのが社員の退職です。特に若手社員の退職は社長の精神にも会社の将来にも大きなダメージを与えます。社長や上司が退職の理由を聞いてもいまひとつはっきりせず、それゆえ「今の若い奴は根性が無い」と決めつけてしまうことも多いと聞きます。本当に根性が無いから辞めてしまうのでしょうか?もちろんそのような若手もいるでしょう。しかし、全員がそうであるとは思えません。むしろ会社側に問題がある場合は多いのではないかと思います。 

例えば「勤怠管理」です。若手が定着しない会社の勤怠管理を見ると、いまだに紙の勤怠カードを打刻機にガチャンと入れて印字するやり方を続けている会社を散見します。なぜ古いタイムカードでの勤怠管理を続けるのか社長に聞いてみると「昔からやっているし、特になにも困っていないから」という答えが返ってきます。確かに社長が直接困ることはないでしょう。なぜなら、社長自身はタイムカードを打刻しないからです。また勤怠管理や残業代の計算も人事や経理の担当者が定常業務として行うため、特に大きなトラブルでもなければ社長が日々気にすることはありません。

 

ところが、社員からすればこの古いタイムカードによる管理はイメージがよくないのです。特に今時の新入社員にとってはガチャンの打刻は昭和の世界でしょう。最初は面白がっても、すぐにため息に変わります。またタイムカードを使っている会社は休暇申請などもアナログで行っていることがほとんどで、申請しにくく休みが取りにくい、有給残日が分かりにくいといった不満もあります。

 

また、学生時代の友達と会ったときに友達の会社はICカードによる管理だったり、フレキシブル勤務で自己申告だったりする話を聞くと「ウチの会社は遅れているんだ。大丈夫だろうか?」と恥ずかしさと不安に襲われることがあるのです。アナログのタイムカードを継続している会社は基本、紙とハンコの世界です。古い体質の会社そのもののイメージです。この古い体質のイメージはやっかいで、たとえ会社の業績が良くても若い社員には魅力的には映りません。

 

まずはアナログのタイムカードを廃して、新しいデジタルの勤怠システムを使用してみましょう。費用はそえほど掛かるものではありません。少なくとも求人に要した費用に比べれば安いものです。勤怠システムは日々使うものです。アナログな会社がデジタルを導入する場合、まずは毎日使うシステムから導入することをお勧めします。たまにしか使わないシステムだと使われなくなる可能性が高いからです。デジタルを使う価値は業務の効率化だけではありません。会社のイメージアップにも貢献するのです。

 

2023年5月