2022年59

【失敗しないシステム導入】

スマートフォンアプリの評価に必要なこととは?~


BYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)を選択せずに、社員向けに業務用のスマートフォンを支給している会社が増えてきています。

スマートフォンを支給する際には、情報システム部門で選定したアプリだけをインストールして配布し、利用者が勝手にアプリを追加インストールできないように制限をかけることがほとんどだと思いますが、徐々に利用者から「業務効率化ために○○アプリを使いたいので追加インストールして欲しい」という声が出てきます。

情報システム部門としてはセキュリティ対策や管理の視点で、インストールするアプリはなるべく増やしたくないというのが本音でしょう。ただし、追加インストールを全く認めないと、個人保有の端末にインストールしたアプリを利用されてしまい、セキュリティ対策として本末転倒になってしまう可能性があります。

情報システム部門は、追加インストール申請のあったアプリそれぞれについて、本当に業務に必要なものか、業務効率化に寄与するか、セキュリティ面で問題ないかを評価しなくてはなりません。ただし、ここで問題となるのが情報システム部門の要員が必ずしもそのスマートフォンのアプリに精通しているわけではないということです。個々のアプリについては業務側ユーザーの方が詳しいことも多いでしょう。

このように業務側に知識の優位性がある中で、スピード感を持って評価しなくてはならないので、情報システム部門は大変です。間違った評価をしてしまうと業務部門の信頼を失いかねません。では、評価にあたって必要なことはなんでしょうか?スマートフォンアプリは無数にあるので、全てのアプリを知っておくことは不可能ですが、どれだけ日頃からアプリに触れているかが重要になると考えます。

情報システム部門の担当者と話をすると、業務や日常生活に最低限必要なスマートフォンのアプリだけをインストールし、いろいろと試していない人が多いことに気づきます。このような方は、著名なビジネスアプリ、また、ビジネスアプリに限らず、ランキング上位のアプリについてはできるだけ多くインストールして試してみることをお勧めします。例えば、ビジネスチャットのアプリを評価する際に、全く知らないよりはどれか一つを知っていれば、別のアプリでも評価するのは容易になります。

また、副次効果として、多くのアプリのUIに触れていることは、自社アプリの開発の際に非常に有益になることも書き添えておきます。

2022年5月