2014年11月25日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~IT好きの社長とIT嫌いの社長~

中小企業の社長というと一般的なイメージとして「ITは苦手」の社長が多いと思われがですが、実は意外にIT好きの経営者は多いと感じます。そのIT好きの社長にも2種類あって、経営者としてITの効果を評価して適切にIT導入を推進するタイプと、個人の趣味としてもIT系が好きで最新のパソコンやタブレット、あるいはソフトウエアをとにかく使うのが好きなタイプの2つがあります。

前者の「経営のツールとしてのITは好き」というタイプは社長としてバランスが良く、優秀な社業を営んでいるケースが多いです。このタイプは投資対効果というものをよく理解しています。一方、個人の趣味としてITが好きなタイプの社長は企業としてみると過剰投資に陥ってしまうこともしばしばあるようです。新しいもの好きで、パソコンをどんどん買い替えている程度であれば結構なのですが、パッケージソフトやネットワークなど利用料や保守料がランニングコストとして毎月毎年継続して発生するものへの過剰投資は禁物です。投資対効果のバランスが悪いと特に定量的なメリットは得にくくなり、投資倒れになるリスクがあります。当然のことですが、個人の趣味と会社の投資は別物で、そこは冷静にわけて判断する必要があります。

それではIT嫌いの社長の場合はどうでしょうか?ITに投資をしないのでその点ではキャッシュは出てきません。社長は「無駄な投資はしていない」と胸を張るかもしれません。しかし、そのような会社では社員はITを使えば簡単に早くできることも手作業でやっているので、皆さんお忙しい。忙しいのは事実ですが、ずっと昔からやっているので手馴れてもいます。手馴れたことに忙しいと人間どうしても新しいことをやろうという時間も気力も無くなってきます。つまり、同じことをずっとやっていているのが当たり前になり、仕事への工夫をしなくなるのです。ましてや新しい仕事の開拓などしようという気はなかなか生まれません。このような会社は急には傾かないかもしれませんが、ジワジワと毎年少しずつ弱体化してくることが多いです。でも多くの社長は「不景気だからしかたがない。アベノミクスでなんとかならないものか」と外部要因に原因を求め、解決を期待します。しかし、このような他力本願がうまくいくことは非常に稀であることは皆さんおわかりのことでしょう。

やはり社長は個人としてのITの好き嫌いではなく、経営トップの冷静な視点でIT投資をきちんとコントロールしなければならないのです。

2014年11月