2017年4月3日

【失敗しないシステム導入】

~問題点ヒアリングの品質を上げるためには?~

要件定義工程では、現状業務の問題点を洗い出します。洗い出した問題点が新規の業務を検討する際のインプットになります。多くの場合、ベンダからユーザへのヒアリングといった形で洗い出されます。ここで実力不十分なベンダですと、「何か問題点はありませんか?」という受け身の聞き方になってしまい、問題点が十分に洗い出されない場合があります。新規業務検討の品質は、インプットとなる問題点に左右されますので、問題点が十分に洗い出されないと、新規業務検討の品質が落ちることになってしまいます。では、問題点ヒアリングの品質を上げるためにはどのようなことが考えられるでしょうか。以下に対策を上げたいと思います。

1.事前に問題点の仮説を準備しておく

ユーザは「何か問題点はありませんか?」と聞かれるよりは、「このような問題点はありませんか?」と聞かれた方が「はい、具体的にはこのような問題点です。」、「いいえ、そのような問題点はありませんが、このような問題点があります。」などと答え易いものです。問題点の仮説を事前に準備しておいて、提示することが重要になります。

どのような問題点の仮説を準備すれば良いのかというと、中には業種、業務ごとの標準的な問題点のテンプレートを持っているベンダもありますが、このようなテンプレートがない場合には、自力で収集することになります。例えば「製造業 受注 問題点」などのキーワードで検索すれば、いろいろ問題点が見つかります。これを元に仮説を作成します。

2.事前に問題点の視点を準備しておく

「このような視点で問題点はありませんか?」と聞かれた方が、ユーザは問題点を思いつきやすいものです。問題点の視点とはどのようなものでしょうか?例えば、「システム、人、インプット、ルール、組織」といった視点です。ヒアリングの内容がシステムについての問題点に偏っているようでしたら、「担当者のスキルの面で問題はありませんか?(人)」、「他部署から送られてくるデータの品質に問題はありませんか?(インプット)」というように水を向けます。

3.事前にアンケートを実施しておく

前述の1、2を実施したとしても、ユーザにその場で問題点を漏れなく述べてもらうのは、難しいものがあります。そのため、事前にユーザにアンケートを実施します。ここで1、2を組み合わせて、アンケートに仮説の問題点を例示したり、問題点の視点を提示したりしておくことでユーザは漏れなく問題点をアンケートに記入できるようになります。ヒアリングの場ではこのアンケートの回答を元に、不明点を確認し、問題点を深堀していくことになります。

このように問題点ヒアリングも品質を上げるためには、事前の準備が重要になります。ベンダが事前の準備なしに受け身でヒアリングを進めようとしているならば、1~3の事前準備を実施し、ヒアリングに臨んでもらうよう提言しましょう。

2017年4月