2023年529

【生産性を上げる「習慣」の科学】

~「習慣」になるまでの道のりを乗り越えるには~


前回のコラム(2023/3/13)では「習慣」が作られていく過程を説明しました。

今回は「習慣」を定着させるためのノウハウを解説します。

 

自分がポジティブに取り組めるもの、例えば趣味や娯楽を習慣化することは難しいことではありません。しかし、勉強や運動など人によってはポジティブに取り組めないことを習慣化するにはいくつかのハードルを乗り越えなくてはいけません。どちらも習慣化までの道のりは実は同じで、前回(2023/3/13)説明した3つのステップ(反発期→不安定期→倦怠期)を踏むことになります。ポジティブな場合は障害とも思えないほどですが、そうでない場合は大きな障害に感じるでしょう。しかし、それぞれのステップをクリアするポイントを抑えていけば、必ず習慣化されるはずです。

今回は筋トレを例に見ていきましょう。

①反発期

反発期で重要なのはとにかく毎日実施することです。時間も場所も関係ありません。とにかく「やった」という事実だけを毎日積み重ねることが重要です。

筋トレの場合、実施するのは何時でも構いませんし、わざわざジムに通う必要もありません。時間や回数も自由です。極端に言えば腕立て伏せ1回でも大丈夫です。とにかく毎日やること。自分の生活の中に筋トレが徐々に刷り込まれていくのを実感してください。

 

②不安定期

不安定期で重要なのは場所や時間帯などを決めることです。

筋トレの場合、夜お風呂に入る前に自宅で行うなど、決め事を徐々に作っていきます。反発期を越える頃には、自分が前向きにできる場所や時間帯が分かってくるのでこれに合わせて決めることが重要です。注意点としては、決め事を作ってもそれを100%守ろうとしないことです。どしても仕事の都合や会食が入ってしまうなど実施できない場合は、反発期のやり方に戻って、とりあえず腕立て伏せ1回でもできる時にやれば問題ありません。ここを厳しくし過ぎてしまうと脱落してしまう要因となります。

 

③倦怠期

倦怠期で重要なのは変化をつけることと成果を認識することです。不安定期を乗り越えると続けること自体にはストレスを感じなくなってきます。ある意味余裕も生まれます。だからこそ飽きていることを認識してしまったり、何のためにやっているのかが分からなくなってしまいます。その場合は環境を変えたり、過去の自分と見比べてどう変わったかを把握することが重要です。

筋トレでいうと、トレーニングの項目を変えたり、場所を変えてみたりしてみます。もしくは以前の自分の写真と今の写真を見比べて、健康的になれたことを実感するなど、改めてモチベーションを高めます。

 

ここまでくれば、筋トレは生活の一部になりストレスなく実行できるようになっているかと思います。

 

そしてもうひとつ重要なのは、自分は意図的に習慣を作ることができたという実績を認識することです。習慣が作れない人は、自分は飽きっぽい・集中力がないなど、ある意味それまでの実績からくるネガティブな自己評価を持ってしまっています。しかし、ひとつでも習慣化の実績ができると自分でもノウハウに基づいて行動すれば習慣を作れる、他のこともできそうだとポジティブになっていきます。是非このポジティブなスパイラルに入れるように何でもよいのでひとつ簡単な習慣を作ってみてください。

 

次回のコラムでは、筆者の実体験をもとにおススメの習慣を紹介していきます。

 

2023年5月