2017年9月5日

【失敗しないシステム導入】

~RPA導入の効果をより大きくするためには?~

このところ、RPA(Robotic Process Automation)がかなりの盛り上がりを見せています。詳しい説明はここでは省きますが、パソコンでの作業を代行するロボットのことです。パソコンの中で動くプログラムですので、工場にあるような目に見えるロボットとは異なり、これまで人間がパソコンで行ってきた単純作業を自動化できます。「Excelを見ながら、そのデータを基幹システムに入力する」といったこれまでに人間が手作業で行ってきた作業をロボットに任せるわけです。また、これまでシステム間インターフェースを開発する場合には多額の費用が掛かっていましたが、これをロボットに任せ、ロボットに画面からデータを入力させるといった使い方もされており、インターフェース開発費用を削減できているそうです。

ロボットを作成するRPAツールもいろいろ出揃ってきました。海外製、国内製、大企業向け、中小企業向けとそれぞれ特徴がありますので、自社にあったRPAツールを選定することがポイントとなります。既に多くの企業導入を検討しているということで、RPAツールベンダの担当者は大忙しで、セミナも有料、無料に問わずすぐに満員になってしまうそうです。

何故、ここまで盛り上がっているのでしょうか。これまで人間が手作業で行ってきた単純作業を自動化できるということで、「働き方改革」、「人手不足」などのキーワードとも合致して、ユーザ側の経営層、管理層の興味、期待がかなり大きいということがあげられます。また、現在の業務手順を考えずに、そのままロボット化するだけで比較的簡単に業務工数を削減できるで、導入のハードルが低いということもあげられます。

「現在の業務手順を変えずに」と書きましたが、そこに留まる必要はありません。ロボットを作成するためにはヒアリングをもとにフロー図などを作成、現状の業務を明らかにする必要があります。この作業の中で、「業務手順を見直した方が良いのではないか」、「そもそもこの業務は不要なのではないか」といった意見が出てきて、業務手順の見直しに繋がっている例もあります。

このように、単なるロボット化ではなく、業務手順の見直しまでできれば、効果は大きくなります。RPA導入の効果をより大きくするためには、単純に現状の業務をロボット化するのではなく、ゼロベースの視点で業務を見直し上でロボット化するという視点が必要になります。

2017年9月