2014年12月15日

【RFPコンサルタントの日常】

~幼稚園の選定編~

1.プレ幼稚園について

早いもので、娘が生まれて2歳になろうとしている。子供が生まれる前までは、2歳というのは赤子という認識をしていたが、もうすっかり幼児である。「そろそろ協調性を学ばせたい」という思いと「妻を少し楽にしたい」という思いから、プレ幼稚園というものに通わせようと家族会議で決定した。プレ幼稚園というのは、幼稚園就園未満の2、3歳児を対象に、実際の幼稚園の体験ができる場所のことである。実際の幼稚園の雰囲気やどんなことをするのかが事前にわかるというわけだ。

なお、お試し期間というよりは、事前就学という側面が強く、ところによっては「プレ幼稚園に就園したら幼稚園にも就園してもらいます」といった慣習のある幼稚園もあるようだ。また、就園料などの初期費用がかかるので、おいそれとと変更できないのが実情だ。

よって目的を定め、要求事項を洗い出し、よくよく検討してから就園を決めることとする。

2.目的と要求事項

まず、今回の目的は娘に協調性を学ばせたいことと、妻の負担軽減である。しかし、まずそれにこだわらず理想の幼稚園を考えてみる。

・ 屋外に広い庭があること。(土であればなおよい)

・ 団体行動の行事が多くあること。

・ 英語教育があること。(英語教育というよりは外国人とのふれあいに期待)

・ 近いこと。徒歩圏内、あるいはバス乗り場が徒歩圏内であることが望ましい。

・ 入園時間が早いこと。(いざとなったら私が送り届けることが可能なように)

・ 近所のママ友の子供が通っていること。 等々

これに目的を合わせて優先順位をつけ、幼稚園自体の必要事項と、それ以外に分けてみる。

■ 幼稚園の要求事項

1.団体行動の行事があること。

2.英語教育があること。

3.屋外に広い庭があること。

■ 幼稚園以外の要求事項

1.入園時間が早いこと。 ※よく考えたら幼稚園への要求だった

2.近いこと。

3.近所のママ友の子供が通っていること。

等々

これで、幼稚園の要求事項が定まった。この要求を満たしている幼稚園を探すとしよう。調べてみると、近隣のA幼稚園とB幼稚園、隣駅のC幼稚園が候補に挙がった。要求を満たしている点で選択したところ、A幼稚園かC幼稚園が最後まで争った(点数が一緒だった)が、英語教育があることからC幼稚園に決定した。

3.実際のユーザーの声

入園する幼稚園が決まって申し込みをする前に、近所の床屋に行くことになった。そこで幼稚園の話題となった。その床屋さんは2児を育てたベテランお父さんである。聞けばその2児はA幼稚園とC幼稚園と別の幼稚園に行かせたという。実際のユーザーの声を聞くいい機会なので、それぞれの印象を聞いてみた。

1.A幼稚園のほうがよく言えばサービスに応用が効く。C幼稚園はマニュアルがあるのかドライな対応である。

2.A幼稚園は地域の子供が集まる。C幼稚園は様々な場所から子供が集まってくるため地域感がない。

3.(C幼稚園に対し)幼稚園まで遠いと大変である。これは幼稚園から頻繁に呼び出しがかかり、親は都度迎えにいかなければならないためである。

特に「3」が興味深かった。話を聞くまでは「園児バス停留所が家から近ければ問題ない」と思っていたためでる。少々の熱等で、頻繁に呼び出しがかかり都度隣駅に行くのは、妻を楽にさせるという目的にかなっていない。

4.終わりに

結果、A幼稚園を選択し無事就園することができた。

A幼稚園を選んだ決め手は先述の通り「近い」ことである。有事の際にすぐに迎えにいける。床屋さんから話を聞いた後、「近い」ことを優先度1位にしたところ、A幼稚園が数値的にも1位となった。

今回の選定、当初はある意味ユーザーの声を聞いていなかった。近所のママ友から情報を集めたりしたが、ママ友の子供は未就園児であり、実際のユーザーとは言えなかった。今回幸運にも実際のユーザーの声を聞くことができ、最適な幼稚園を選ぶことができたが、もしも床屋さんの話を聞いていなかったら、妻の負担は軽減されなかったであろう。

システム導入において要求リストを作成する際も同じで、様々な視点、特に実際のユーザーの視点は重要である。当たり前の話だが、業務を一番よく知っているのはユーザーである。ユーザーの視点を軽視してのシステム導入は、今回の幼稚園選定のように意外な落とし穴が待ち構えている可能性がある。

2014年12月