2020年1月20日

【コンサルタント散歩】

~テストデータの作成方法~


システム開発のプロジェクトでは、開発したプログラムをテスト(単体テスト、結合テスト、総合テストなど)するためにデータをテストケースの内容に合わせて作成します。今回はこのテストデータを作成する際のポイントをシステム開発の初心者向けにお話します。

作成したシステムをテストする際、テストケースを作成し、それに合わせてテストデータの作成を行います。例えば、テストケースAの内容が

「〇〇という項目が、××の場合に□□となることを確認する」

だった場合に、テストデータとしては〇〇項目が××となるデータを作成する必要があります。(当テストケースであれば、〇〇項目が××でない場合に□□とならないことも確認する必要がありますが、大体の場合は他のテストケース内容で網羅できるようテストケースが作成されているのでここでは割愛します)

このテストデータを作成する際にはポイントがあります。それはテストケースとテストデータが紐づくように作成することです。紐付けの方法は、検証する際にアウトプットとして出力されるインプット項目に対して、テストケースのIDや何のテストケースなのか分かる内容などを記載することです。過去のコラム(2018/10/02)でエビデンスについても紐付けた方がよいと記載していますが、テストデータについても同様に紐付けた方がよいと考えます。

テストケースとテストデータを紐づけることで以下のようなメリットがあります。

●テスト仕様書のテスト内容について、漏れなくテストデータが作成されているかの確認が容易にできる。

●テストを実施した結果の検証時に、インプット情報とアウトプット情報を用意に紐付けることができる。

●デグレードテストなどをする際に、障害が生じたテストケースがわかりやすく、改修されたかもわかりやすくなる。

●後のテスト内容の見直し時にわかりやすい。

テストを実施する際に、テストデータを作成する前準備に時間が割かれていた記憶があります。テストを実施した結果としてテストに必要なテストデーが足りないことや、アウトプット情報を見てもテストケースの想定通りに実施されたテストデータなのかわからないなどでやり直しが発生していました。こういったことにならないためにもテストケースとテストデータの紐付けを試してみてはいかかでしょうか。

2020年1月