2015年3月30日

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】

~システム企画の手順と方法(文書作成③)~

前々回(2014/12/22)、前回(2015/2/23)に続いて、「開発に外部事業者が関わる場合に作成させることがある提案依頼書(RFP)のインプットとなる」についてです。

● 提案依頼を受けた者が提案書を書きやすく、提出しやすい。

について記します。これには前回(2015/2/23)で述べた「提案依頼書(RFP)として、伝えるべき事項と内容が必要十分に記されている。」と対応するところが多くあります。

<書きやすい>

提案依頼を受ける側としては、「何を目的とする、何についての、何の提案をどのように書けばよいのか」が明確に示されていると、提案書を作成しやすくなります。

(1)「何を目的とする」には、

システム企画書に記した「システム化の目的」(システム導入の目的)を該当します。このことで、提案者は、今回のシステム導入が提案依頼者にとってどのような意味を持つのか、目指すところ、重視されるものは何なのかということを知ることができます。これらを知ることができると、提案者としては提案書に記す内容を選択・決定しやすくなります。たとえば、提案者が提案するソリューションとして複数の選択肢を持っている場合に最適なものを選択しやすくなる、ということが期待できます。

(2)「何についての」はシステム構築の範囲です。

システム企画書の項目としては「新規業務プロセスイメージ」、「新規システム環境イメージ」が該当します。範囲を示す(すなわち限定する)ことは、提案書を書きやすくする要素として非常に重要です。たとえば「基幹システムを再構築する」というとき、「基幹システム」が何を指すのかがわからなければ、的確な提案を行うことはできません。範囲を示す際には「図」が有効に働きます。組織図やシステム概念図、業務フロー図等を使って対象範囲を示すとよいでしょう。

また上記文例の場合、後半の「再構築する」の方にも注意が必要です。システム化するのは基幹システムの全体なのか部分なのか、開発の基本的な考え方は改修なのかスクラップ&ビルドなのか、スクラップ&ビルドの場合はパッケージ利用を想定するのか否か等の情報があることで、提案者が提案書を書きやすくなります。

(3)他に、提案書の書式(用紙サイズと方向等)、枚数、記載項目とその書き方、添付書類の要否と種類が指定されていると、提案書を作成しやすくなります。

<提出しやすい>

提出する提案書の形式と部数、提出期限、提出先、提出方法、質疑応答の窓口と方法を記します。

提案書を作成するベンダーも忙しい中で提案を考え、文書の作成を行っていますので、できるだけスムーズに作成と提出が行えるように情報を明示することで、それを助けるようにすることが、よい提案を多く受け取ることにつながります。

>>次回に続きます。

2015年3月

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※ 関連コラム 【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】「システム企画の手順と方法(文書作成②)」 (2015年2月23日)

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】「システム企画の手順と方法(文書作成①)」 (2014年12月22日)

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】 「システム企画の手順と方法(全体像)」 (2014年11月10日)