2017年10月30日

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】

~システム企画においてコンサルタントはどのような時に有効か②~

「コンサルタントはどのような時に有効か」について、今回は以前に記した「システム企画の手順と方法(全体像)」(2014/11/10)の中で、可能性のあるところを挙げてみます。

1.目的及びシステム化範囲の明確化と共有

<戦略領域>

①解決すべき問題の選択 --------------------------------------------------------------------------------

【行うこと】

a)組織としての理想の状態(あるべき姿、ありたい姿)を描き、現状とのギャップ(=問題)を把握する。

b)問題が複数ある場合は、解決するべき問題を選択する。

【注意すること】

a)「解決しても意味のない問題」の解決に資源を使わない。

・・・その問題を解決しても、同様の問題がまた起こる、あるいはその結果別の問題が起こるとすれば、それは優先的に解決するべき問題ではない可能性が高い。

b)その企画で、戦略実施のためにITを適用する予定の領域が組織の一部であっても組織全体を考慮する。

・・・部分最適の組合せが全体最適を損なわないようにする。

【コンサルタントが支援できること】

a)理想の状態の候補案、問題の抽出。

b)上記に複数のものがある場合の選択に際して、選択のための判断条件(ある案を選択した場合の期待効果/実現性/リスク等)の提示、ファシリテーション。

②問題解決のため手段(実行項目=課題)の明確化 --------------------------------------------------------------------------------

【行うこと】

a)解決すべき問題の原因を特定する。

b)問題の原因が及ぼす悪影響を軽減または解消するために必要な要素を挙げる。

c)上記要素を満たすための活動(=課題)を設定する。

【注意すること】

a)「やりやすいことではなく、効果的なこと」を選ぶ。

・・・「できることを何でもやる」は、「何もしていない」という不安の軽減に効果があるが、問題解決には効果があるとは限らない。

b)「効果がありそうだができそうもないこと」を「できるようにする可能性」を探る。

・・・ここではあくまで可能性を探る。

【コンサルタントが支援できること】

下記についての関係者による認識強化と合意形成

a)課題の実行が高い確率で問題解決につながること。

b)課題の実行が可能なこと。

③IT適用範囲の選択 --------------------------------------------------------------------------------

【行うこと】

ITの適用が効果的な領域(問題解決、課題実行のためにどこにITを適用するか)を選択する。

参照:2015/8/10

【注意すること】

a)その範囲にITを適用することは、業務が変わる、費用がかかることに値するか。

b)IT適用範囲外とするところは、現状より状況が悪くなることはないか。

【コンサルタントが支援できること】

下記についての関係者による認識強化と合意形成

a)IT適用の効果の確からしさが十分であること。

b)IT適用の効果を挙げるために変化が生じること。

c)上記の変化の中には、少なくとも一時的には負荷増大が含まれうること。

2017年10月