2018年2月13日

【システム企画~情報活用力を上げる仕組み作り】

~コンサルタントを使うか否かの検討①~

前回(2017/9/11, 10/30,12/18)まで、システム企画においてコンサルタントが役に立てること、役に立つ場合について書いてきました。では、コンサルタントが役に立つ場合があるとして、コンサルタントを使うか否かの検討はどうすればよいでしょうか。

コンサルタントの強みは、対象分野に関する専門知識、問題解決手法、第三者性を持っていることであると言われることがあります。コンサルタントを雇うとコンサルティング費用がかかりますが、本稿では、(コンサルタントが上記の強みを発揮して)コストを抑制するということから考えてみます。

1.コスト

コンサルタントが顧客の役に立つ場合には様々なものがあり得ると思いますが、コスト評価を軸に抽象化して表すと、「得たい成果を得るためにかかるコストが、コンサルタントを使わない場合よりも少なくなる場合」と言えると考えます。これを言い換えると、「コンサルタントに支払う金額よりもコスト(使われる資源や犠牲とするもの)を金額換算した値が小さい場合」です。上記の言い換えと、その時にコストの後に(使われる資源や犠牲とするもの)という説明をつけたのは、下記を表すためです。

a)コンサルティング費用の精算は金銭の支払いで行われる

b)コストは金銭に限らない

「コスト」という語は外来語で、日本語では金銭支出、費用という意味の名詞として使われていますが、英語では名詞と動詞とがあります。英語の名詞、動詞でも「費用(がかかる)」という意味が一番先に出てきますが、他にも、費用を含むがそれに限らない「何か(がかかる)」という意味があります。一語で表すなら「代償」というのが近いと考えます。

2.企業が支払う代償

以前の記事(2015/8/10)に、「企業は変化する環境の中で競争優位を獲得するために向かうべき方向と行先(目標)を定め、そこへ到着するための戦略を立て、実行しようとします」と書きました。「環境が変化する」「競争相手がいる」という条件下で、企業が上記の活動(=意思決定と行動)を行うにあたって考えなければならないのは、以下のことです。

(1a)環境変化に適応する速度と適応度(効果)

(1b)競争相手を上回る行動速度と行動効果

(2a)上記を満たすための活動に使う資源の量

(2b)上記を満たす活動をしないことによって被る被害の大きさ

上記により、代償は企業がその目的を満たすために意思決定と行動を行うこと、またはそれらを行わないことにかかります。以下の4つの分岐が考えられますが、すべての場合に代償がかかると言えます。

a)放置する ―行動を起こすか否かを考えない

b)行動を起こさないという意思決定を行う ―行動を起こさない

c)行動を起こすという意思決定を行う ―行動を起こさない

d)行動を起こすという意思決定を行う ―行動を起こす

コンサルタントを使うか否かの検討、コンサルティング費用を支払う価値があるか否かの検討に際しては、「b」「c」「d」の場合の意思決定や行動に応じて生ずる代償の大きさを、自社だけで行うときと、コンサルタントを使って行うときとについて見積って比較することが一つの方法になります。

2018年2月

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